石井勲
- 著作紹介
- 2008-06-04
- 『漢字興國論』について
- 2001-05-18
- 『1年生でも新聞が読める 革命的漢字教育法』の紹介
- 2008-06-06
- 2010-11-25
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諸橋轍次による評價
- 問う人
- 此頃石井という四谷小学校の先生が漢字教育に熱心で小学一年生に約四百字、小学三年までに今の教育漢字八百八十一字全部を教へ且覚えさせたということが評判になっていますが、あれなどについての御感想はどうです。
- 諸橋
- 私も話にも聞き新聞でもみて驚いています。そんな熱心家の居られることは誠に敬服の至りだし、一度その授業を参観したいとは思いますがまだ機会を得ません。新聞で見たところでは、その先生の教授法は従来の教授法と違っている。従来は先ず仮名で「アメ」という語を教えカナを教え、後その語に当る「雨」という漢字を教える順序だが、石井先生の教授法は日常用いるものについては、始めから「雨」という字を教えるのだそうですが、此は一寸した思付きのようで、実は非常な卓見だと思います。元来漢字は字であって同時に語でありますから、先ず言葉をカナで教え、後之に当る漢字を教えるという愚はなすべきでありません。此の方法ならばまた「雨め」「雪き」などの間違いもなくなる訳です。要するに教育の仕方によっては漢字のむつかしさというものも、それほどの問題にならないと思います。