制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
初出
野嵜健秀 (nozakitakehide) は Twitter を利用しています」2013年01月14日
公開
2014-03-09

電子書籍


電子書籍が何故賣れないか――そりや露出が少いからに決つてゐる。みんな存在自體に氣附いてゐない。本屋に行けば幾らでも本は目に入つてくる。電子書籍は現状「幾らでも目に入つてくる」と云ふ状態で賣られてゐない。

電子書籍リーダが數千萬臺賣れてゐれば其處から先もあり得る。けれども、現状電子書籍は電子書籍リーダから先づ賣らなければならないわけで、それで電子書籍そのものが賣れるなんてそんな事はあり得ない。

けーたいとかiPhoneとかで讀める電子書籍ならもつと賣れてもいい、つて話があるけど、さう云ふプラットフォームではただで讀める「ウェブのコンテンツ」が競爭相手になる。TwitterやFacebook、2ちゃんねる、まとめサイト――さう言つたところが「讀む」コンテンツとして存在し、電子書籍と競合する。また、けーたいなんかでは、讀めるコンテンツ以外にも、ゲームや動画など、ユーザには「消費すべきもの」として大量のサーヴィスが提供されてゐる。

電子書籍がそんな簡單に賣れるわけはない。

紙の本が賣れなくなつたのだから電子書籍が代りに賣れるやうになる筈だ、と云ふ推測が間違つてゐる。「讀むコンテンツ」は他の「視聴するコンテンツ」や「プレイするコンテンツ」にパイを奪はれてゐる。

IT關係の技術的な專門書を電子書籍で賣つても、IT關係者が全然買つて呉れない、つて話だつたら、「たしかにそりや問題だね」つて言ふ事は出來る。しかし、24時間戰つてゐるIT關係の仕事の人に、本なんて讀んでる暇ないだろ。