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雪 目白

 立春を過ぎたというのに雪の日が続いています。それも春の雪らしくない、しっかりした雪です。山への道の轍の跡もすぐ新しい雪に覆われてゆきます。先には人家もなく、道も谷の奥で途絶えるので、夜ともなれば真の闇です。 写真では見難いかもしれませんが、道にいるのは猫のタマ。丸い大粒の雪が舞っています。

 雪の日は小鳥も目がくらむのでしょうか、雪に酔うのでしょうか、いつもと違う動きをします。ガラス窓にぶつかって気を失ったりすることもあります。ムクドリほど大きいと、かわいそうにそれで死んでしまいますが、ことりは体が軽いので大丈夫。このメジロも近くの小学校の窓の下に落ちていました。手のぬくもりで起き上がったところ。ブチュッと蜜柑を吸わせたら、はっと我に返ったらしく飛び立って蛍光灯にウンコをしました。 外にだしてやると、庭の桃の木でしばらくキョトンとしていました。蜜柑は枝に結わえておくから、食べたくなったらまたおいで。

 大雪は人間も大変だけれど、野生動物には厳しい。どれだけ多くの生き物が飢えや寒さで、命を落とすことでしょう。昨秋、さかんにニュースにされた熊たちは、充分食べて冬眠できたのでしょうか。隣村の川の痩せ細ったカルガモの番はどうしたろう。やれやれ心配ばかりしてもはじまりませんね。長期的でしっかりした環境保護政策が、できないものでしょうか。サイレント・スプリングは来て欲しくない。

 そうはいっても白く、美しい雪。今日は花がないから、切り株の綿帽子をそっくり鉢に盛ってみましょうか。

   春の雪融ければ杯をあふれしめ    おるか

     

◎…画像をクリックして大きな写真をどうぞ。     2005年2月7日

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