製作年度:2013年 米映画 配給:東宝東和
監督:マーク・フォースター 出演:ブラッド・ピット
2013年9月 映画館にて鑑賞
ゾンビ映画といえばもともとはお金をかけないで撮るというのが主流であったが、いつの頃からメジャー大作規模の予算で作られるようにまでなった。そして今夏公開されたこの「ワールドウォーZ」もゾンビ映画の中ではかなり大規模なCGシーンが使われていてデザスターパニック映画に近いのり。まあこれはこれでありだった。内容の方は今のコメディーを入れてみたり、悪魔を入れてみたり、「バイオ」してみたりとゾンビ映画も亜流がだいぶ増えてきた中では原因究明型と手堅い作り。途中何度も全力で襲ってくる感染者は途切れることなく程よい緊張感を与えてくれて気が抜けない。ゾンビ映画も年代を重ねるごとにゾンビの身体能力が上がってきていてそのうち生身では逃げ切れなくなりそう。ダニーボイルの「28日後」から走るゾンビがすっかり当たり前になって、今回のはジャンプ能力もすごい。10年後には、頭を撃っても死なないルールが主流になっていたりして。スーパーでふらふら徘徊していた時期が懐かしい。
物語の結末はいつもは脱出するか、街爆破でなんとなく終わるしかなかったのに対してブラピに見せ場が用意されていて比較的すっきりと終わるのも好感が持てる。廊下を堂々と歩く姿がなんともかっこいい。ウィルスミスの「アイアムレジェンド」よりはいいと思う。生存者も多めでまさにメジャー向きな作り。夜9時からでもノーカットで放送できる。今回ブラピが製作にもかかわっているらしいのだが、今までさんざん癖のある映画に出てきておいてゾンビ映画にのりきとは意外ではある。トムの「宇宙戦争」を観て「俺も家族を守る作品作りてぇー」とか思ったのかしらね?私としては半分眠たくなるようなスローテンポな作品に出ている方が好きかなといったところ。こういうのはニコラスケイジとか出しておけばいい。
P.S.この作品では噛まれたらその部位をすばやく切り落とせばゾンビ化しないでセーフというシーンがあるのだが、今まで数々の作品で何人もの猛者がチャレンジしてはことごとく失敗してきたのでこれは快挙と言えよう。あと雑誌で腕を巻いてガードを作っているシーンがあるのも珍しいのではないか?腕を守っておいて首はノーガードというのは詰めが甘いけれども。