京都市街地の塔婆

京都市街地の塔婆

現在市街地(周辺地区を含む)で現存している塔婆(新造塔を除く)は、
八坂法観寺五重塔・深草宝塔寺多宝塔・鳥羽安楽寿院多宝塔・嵯峨常寂光寺多宝塔・五条清水寺三重塔・黒谷金戒光明寺三重塔・御室仁和寺五重塔・教王護国寺(東寺)五重塔・清水寺泰産寺三重塔(子安塔)・ 嵯峨清涼寺(嵯峨釈迦堂)多宝塔・寺之内本法寺多宝塔・真正極楽寺(真如堂)三重塔・・・などがある。

 明治維新前までは、上記のほかにも、「都名所圖會」等によると、日蓮宗大本山本國寺五重塔・法華宗大本山本能寺三重塔・日蓮宗大本山妙顕寺五重塔・法華宗大本山妙連寺三重塔・寺町誓願寺三重塔・相国寺三重塔・神泉苑多宝塔・山科安祥寺多宝塔(宝暦9年-1759-建立、明治39年焼失)等の塔婆が存在した。安祥寺を除き、これらは天明の大火で焼失し、その後再建されることはなかった。
また祇園感神院・北野天満宮・石清水八幡宮大塔及び琴塔(多宝塔)・山崎離宮八幡宮(元治元年の兵火で焼失・塔跡現存)・淀姫社多宝塔等が散見されるが、これらは、祇園感神院の塔を除き、明治の廃仏毀釈で棄却される。 これらの塔は離宮八幡宮・石清水八幡宮琴塔以外、今は塔跡も明確ではない。

以上は近世に存在した塔婆であるが、平安期を中心とした時代にはさらに多くの塔婆の存在が 確認される。

平安期を中心とした京洛の塔婆の状況は「平安期の京洛の塔婆」のページを参照願いたい。


★文化5年(1808)刊の「華洛一覧図」には失われた祇園・北野の大塔(多宝塔)も見える。
 (出典:講談社1976年刊「日本の地図4・京都」)

真如堂・黒谷、祇園、八坂・清水、北野、東寺は下記の図上をクリックすると拡大表示。(御室は不可)


2006年以前作成:2010/03/12更新:ホームページ日本の塔婆