<アルバム・レビュー 1999>


<1999年>

12月25日 DUST/DUST(伊太地山伝兵衛(vo,g) 佐山 雅弘(p) 石井 康二(b))

伊太地山伝兵衛さんを観たのは10年以上前になってしまった。当時はバンドで「伊太地山伝兵衛商会」として活動していた。それだけの時間を経ても、そして編成を変えても決して姿勢を変えずに活動し、そして色褪せない歌。時には大御所ミュージシャンの村上”ポンタ”秀一氏、佐山雅弘氏、中川イサト氏等とも活動し、ソロとしても日夜全国を駆けずり回っている。

そして、’99年9月に高円寺 稲生座でのライブへ行った際、新アルバムとして入手したのがこの「DUST」。しっとりとしたg、p、wbの演奏にやさしい声。しかし奥底の力強さがあるので安心して身を委ねられる。

歌詞が非常にありふれた言葉なのだが、1曲1曲のストーリーが込められていて、すぅーっとその世界に浸れる。

できれば彼のライブハウスに足を運び、このアルバムを手にして帰って欲しい。仕事から帰って、ひとときの安らぎをより深く味わうためには最適な一枚です。
12月12日 DANCE IN MY KITCHEN/日倉士歳朗

寝起きに見た夢の中。あるレコード屋に入ると店員さんとお客さんが話している。店員が持っているレコードのを良く見ると「DANCE IN MY KITCHEN」だった。
ということで、何かの知らせだと思うのでこのアルバムのレビューとなりました。

このアルバムは日倉士さんがひとつ吹っ切れた感がある。歌詞、ボーカルに彼独自の一つのスタイルが出来たようだ。”気”が物凄く伝わってくる。スライドギターの息づかい、心の奥から吐き出してくる歌、演奏。ざらついた低い声が暖かく語ってくれる。もう、洋楽のカバーをしなくても良いのでないかと思う。

パーカッションの丹菊さんは普通のパーカッショニストのイメージとは違い曲の中に存在感がある。多種のパーカッションを織り成して作るリズムが曲にコントラストをつけている。

中でも「南からの子守唄」は秀逸!体を歌にもたれて聴きたくなる、そんな安らぎを与えてくれる。ライブでは一緒に歌いたくなるぐらいお気に入りです。他の曲も独特のアプローチが盛りこまれていて飽きない。また、このアルバムの曲順は好きですね。シャッフルできません。

スライドギター、パーカッショニストの人達にはこんな形のアプローチがあることを知ってもらいたい。
10月11日 ランナーズ・ハイ/平田達彦

本人を知ってからアルバムを聴くということはなかなかない。去年の「音のまつり’98」でステージ撤収作業を一緒にしたときのこと。温厚なおしゃべり好きな人という印象の強い平田さん。そして小生は「音のまつり’99」でもじっくり平田さんの音楽を聴くことが出来なかった。そこで「ラママでアラマ」へ足を運びライブを観て、このアルバムに耳を傾けている。ライブは歌、演奏、MCと楽しかった。その気持ちを持ちこんで聴いてしまうとどん底に落とされそうになる程、驚かされちまう。

ただ旅をしているだけのやさしい風など感じさせない、周囲に対する緊張感を感じる。”弱いから強い気持ちを持つよう踏ん張っている”、”ほろ苦い経験をしているからこそ楽しいことを「楽しい」と言える”、そんな男っぽさ(”とっぽさ”と読む)が息づく歌。

男っぽいぜ。”男の旅”っていうものに憧れている人。必聴だね。
8月1日 天然発酵/GRANITE HOUSE

久しぶりのレビューになってしまった。

GRANITE HOUSEのメンバーは、
 PEE (ex. MONEYS)
 TANNY (ex. 子供バンド)
 TAKAHIRO (ex. X-RAY)
 JOAN SMIRNOF NORSVICKH (ex. MONEYS)
 やまと ゆう (ex. 子供バンド)

ボーカルのPEEさんの世界に、その世界を紡ぐメンバーの演奏。メンバーを知っている人なら立てのりのロックンロールをイメージすると思うけれど、それだけではない。これまでに培ったものを散りばめている。何度も聴いてみて欲しい。自分なりに熟成させることができるよ。最高だ!

GRANITE HOUSEのホームページはこちら ⇒
10/16 曼陀羅でのGRANITE HOUSEのライブレポートはこちら ⇒
3月12日 STARDUST REVIEW/STARDUST REVIEW
      今宵はモダン・ボーイ/STARDUST REVIEW

久しぶりに聴いた(でも3ヶ月振りくらい)。いいよね。コピー・バンドをやっていた時に必ずこのバンドの曲を入れていたんだから想い入れはあるんですがやっぱり良い!1982年のものなんだよね。心を弾ませてくれたり、ちょっぴり切なくさせてくれたり...今こういう音楽をやっている人達っていないとは言わないけど少ないと思うんですよ。歌詞がまた良いし...こういう音楽は日本だからこそ生まれたと思うのですよ。ジャズやロックなど洋楽とは違う、日本の歌謡曲、ポップスを聴いていないと出てこないような音楽。こういう音楽ってバンド唯一の音楽なんだよね。やっぱり良い!
2月27日 JOE PASS/VIRTUOSO

実はJOE PASSを聴くのは初めてだった。今年の1月に曼陀羅に来ていた若いのにフュージョン好きの人が”JOE PASSの「VIRTUOSO」は絶対聴くべきだ!”と教えてくれた。聴いてみて”1973年にこんな風に弾いていた人がいたんだ”と思ってしまった。一人ギター片手にジャズを弾く。なかなかできないんだよね。遊び心もあって気持ち良いね。でもBGMにはならないところが魅力かな。やっぱりジャズギターを弾こうと思っている人にはおすすめ。
2月11日 KING OF THE BLUES 15/BIG BILL BROONZY

1992年ぐらいからブルースアルバムのCD化が頻繁になり、なかなか入手できなかったアルバムもCDとして手が届くようになった(日本盤として)。2年前ぐらいに急にブルースをあさり出した時期に100枚近くアルバムを購入したのだが、曼陀羅で「アルバート寄木ブルースジャムセッション」を観た後にまた聴きたくなった。とりあえず聴いたのがこれ。ERIC CRAPTONが「UNPLUGGED」で演奏している”HEY,HEY”も入っている。もちろんBIG BILL BROONZYが本家。ブルース初心者にはとっつきやすい一枚だと思います。
1月29日 あつ燗と中華/藤井康一X関ヒトシ

曼陀羅でウクレレ教室やリトルジャイブで活躍している藤井康一氏が関ヒトシ氏と作成したアルバムが発売された。マスターにお願いしてお店に預かっておいてもらって入手した。

牧伸二氏の弟子でもある藤井康一氏。芸名も師匠から「牧伸三」と命名されており、彼の爪弾くウクレレにがやさしく包み込まれる「胸の振り子」などリトルジャイブでもおなじみのナンバーもはいっている(リトルジャイブの照本氏もPIANOでサポート)。そしてパワフルなボーカル、サックス、ハーモニカと多彩ぶりを見せている。”反省”は必聴。このアルバムを聴けば部屋が明るくなる事間違いなし!

速報!! ヒップな夜を迎えたいあなたに...3/4(木)に曼陀羅にて「藤井康一 X 関ヒトシ アルバム「あつ燗と中華」発売記念ライブ」を行ないます。詳細は曼陀羅のページを見てください ⇒
1月16日 リサイクル/バンバンバザール

バンバンバザールのHPと相互リンクを貼ってもらいました(感謝!)。それを記念に(???)という事ではないのですが、買って聴いてみました。

前に「できました」を聴いているんでこのアルバムはどうかな?という思いでプレイ。ライブ録音です。バンバンの軽快な演奏にオチャラケな歌詞やしんみりくる歌詞がのり、JIVEしているのです。ライブの雰囲気も感じ取られて一丁足運んでみるかと軽やかに歩いて見たくなる。日本でなかなかJIVEしているバンドはない(あとは藤井康一氏率いるリトルジャイブぐらい?)ので貴重なバンドでありますよ。バンバンを知るには最適な一枚。
1月12日 「新井薬師自警団上陸ーッ」/新井薬師自警団

1カ月ぶりに聴いた。Voの某さんの詞が心に響く。しみじみとした気持ちになってしまった。時計の針を進めたり戻したり...懐が暖かくて深いんだよ。

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