独断的JAZZ批評 816.

PAOLO DI SABATINO QUARTET
こういうアルバムを拾ってこそ、ジャズ・ファンだろう
"DISTANT LOOK"
JOHN ABERCROMBIE(g), PAOLO DI SABATINO(p),
LUCA BULGARELLI(b), GLAUCO DI SABATINO(ds)
2012年3月 スタジオ録音 (VIAVENETOJAZZ : VVJ 085)


日頃、ピアノ・トリオを聴くことが多いのだけど、久しぶりにギターの入ったカルテット・アルバムをゲットしてみた。FEATURING ABERCROMBIEとある。
ピアニストのSABATINOも初めて聴く。名前からいってイタリア人のプレイヤーと容易に想像がつく。名前で検索したら見覚えのあるジャケットが3枚程度あった。要するに、これまでは購入の検討段階まで行ったが、結果的に購入までには至らなかったということ。
今回はYouTubeのアルバム紹介動画でアルバム・タイトル曲が確認できたので購入してみた。最近はYouTubeが新譜のプロモーション・ビデオとしても利用されているので隈なく調べるようにしている。
「百聞は
一聴に如かず」ってやつで、これがあるとないとでは「当たり」の確率が大分違う。全て5つ星とは行かないだろうけど、せめて4.5星以上のアルバムをゲットして、手元に置いておきたいものだ。(星4つ以下は中古に出すと決めている)
FEATURINGとあっても全曲にABERCROMBIEが参加しているわけではない。トラックナンバーを
青字にした5曲がギター抜きのトリオ演奏。残る5曲がギター・カルテットとなっている。

@"DISTANT LOOK" ギター・ソロの時に奏でるピアノのバッキングがキレていて躍動感を醸成して行く。続く、ピアノのソロもグルーブ感溢れるもので、これはいいね。
A"ON THE STAIRS" 
ミディアム・テンポのブルース。こういうのは理屈抜きでスイングできれば良い。ギター〜ピアノ〜ベースと繋いでテーマに戻る。
B"SUITE" BULGARELLIのベース・ワークはアコースティックな太い音色とよく歌うアドリブがとても良い。
C"WAITING FOR A SNOWY NIGHT" 
ボサノバ・タッチの佳曲。ギターのバックで奏でるSABATINOのバッキングにキレがあっていいね。続く、ピアノ・ソロではノリノリの演奏を披露していくれる。前曲に続いて10分を超える長尺だけど、全く、飽きさせるということがない。
D"CLOSE ENOUGH FOR LOVE" 「いそしぎ」や"A TIME FOR LOVE"、 "EMILY"を書いたJOHNNY MANDELの曲。キレのあるピアノのイントロで始まり、ベースが合流する。
E"ODD DANCE" 
F"SKYLARK" 大好きなスタンダード・ナンバーの一つ。トリオ演奏。少々饒舌、音符過多なのが残念。この曲はもう少しサラッとやってくれた方が良かった。
G"TEMPUS FUGIT" ここもファンキーなノリで饒舌だ。
H"WALTZ FOR JOHN A." 
SABATINOがABERCROMBIEに捧げたワルツと思われるが、とても良い演奏だ。
I"THE COUNTRY LANE"
 哀愁を帯びた美しい曲だが、インテンポになってからのギターとピアノのインタープレイが楽しい。

ギターの入ったカルテット演奏ではギターとピアノのインタープレイがいいね。特にSABATINOのバッキングが素晴らしい。
逆に、SABATINOのピアノはトリオの時には少々饒舌で音符過多だ。ギターが入っているときの方が程よい「間」があってよいと思う。
最初のインパクトはそれほど強くはなかったのだが、聴き込んでいくうちにジワジワと良くなって来た。こういうアルバムは捨て難い。大向こう受けするインパクトはないものの、捨てがたい何かを持っている。こういうアルバムを拾ってこそ、ジャズ・ファンだろうなんて思いながら、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。    (2013.08.05)

試聴サイト : http://www.youtube.com/watch?v=Ry-eXVhLXcQ



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