DON FRIEDMAN TRIO "THE DAYS OF WINE AND ROSES"
DON FRIEDMAN(p), MARCO RICCI(b), GIAMPIERO PRINA(ds) 1995年イタリア録音
世の中、本当に便利になったものだ。僕はこのCDをHMVのネット・ショッピングで手に入れた。今や、居ながらにして、イタリア・レーベルのCDを手に入れることができる。およそ、1ヶ月待ったが・・・。同時に注文したフランス・レーベルのジョルジュ・アルバニタスのCDはメーカー在庫切れということで入手は出来なかった。それを思えば、1ヶ月待つことも仕方ないことと納得がいく。
ドン・フリードマンというとビル・エバンスのリリシズムに影響を受けたピアニストという評価が専らだが、これは大いなる間違い!フリードマンの場合はピアノにドライブ感がある。確かにエバンス的な知的な印象はあるが、もっと、逞しい。過小評価されているピアニストの一人だと思う。
フリードマンのベスト・アルバムは、 "LATER CIRCLE"。断言できる!"CIRCLE
WARTZ" の数倍素晴らしい。このレコードで僕は虜になった。(後日、紹介したいと思う)
すっかり前置きが長くなってしまったが、 このCDもイメージを払拭するに足る佳作。
ベストは最後の "IT COULD HAPPEN TO YOU" .。僕はネットの1分間試聴でこの演奏を聴き、「即、買いだ!」と思った次第。この判断は間違っていなかった。この曲が、やはり、このCDのベスト。4ビートでスィングする3者のドライブ感を堪能して欲しい。
最初に戻って、1曲目が“酒・薔薇”。言わずと知れた名曲。イタリアのサイドメンとのコンビネーションも良く、快いドライブ感が味わえる。
3曲目の "BODY AND SOUL"、5曲目の "YOU GOT TO MY HEAD"、7曲目の
"HAVE YOU MET MISS JONES?" といったスタンダードが皆、GOOD!
フリードマンのオリジナル曲も4曲挿入されているが、内2曲がフリージャズだ。この手の演奏はやっている方は楽しいが、聴く方は相当の覚悟が要る。遠慮なくパスすることだ。
残る2曲のオリジナルは素晴らしい。作曲家としても並々ならぬ力量を発揮している。
未だ、あまり脚光の浴びることの少なかったドン・フリードマンを見直して欲しいと思う。
(2002.03.07)
<追記>
4曲の FRIEDMAN のオリジナルの内、4曲目の "I DON'T KNOW YET" は聴けば聴くほど味がある。ベースのソロで始まるこの曲はピアノ〜ドラムスと次第に3者の絡み合いに発展する。そこからイン・テンポになるまでのスリリングな展開は聴く者を「ゾクゾク」させてくれるはずだ。最後のテーマにちょっぴり入るベースのアルコ弾きも効果的だ。
8曲目の同じくオリジナル "NEW DAWN" も美しくもスリリングなインタープレイがいい!この曲はイン・テンポに入ってからボサノバの軽快な演奏になる。特にピアノ〜ベース〜ドラムスの絡みが楽しい。今、こうして聴き返すと、前述の歌モノよりもこのオリジナルの方が更に味わい深い演奏になっている。「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。 (2002.06.20)