ドラムスが替わっても以前のメルドーは戻ってこない

退屈な演奏だ。睡魔が襲う。
CHARLES LLOYD "THE WATER IS WIDE"
CHARLES LLOYD(ts),BRAD MEHLDAU(p),JOHN ABERCROMBIE(g),LARRY GRENADIER (b),BILLY HIGGINS(ds) 1999年12月Los Angeles にて録音。

実は、チャールス・ロイドのテナーサックスを聞きたくてこのCDを買ったわけではない。ピアノのメルドーとベースのグレナディアがオリジナルグループのドラムス、ジョージ・ロッシから離れてどういう演奏をするのかに興味があった。
この伏線はJAZZ批評 28.のブラッド・メルドー・トリオの演奏に納得がいかないものを感じていたので、その原因究明を兼ねてこのCDを購入した次第だ。

結論から先に述べると、このCDは解決策にはならなかった。

チャールス・ロイドのテナーも部分的にはコルトレーンの「バラード」かと思わせるようなフレーズがあるのだが、全編を通してはあまり感心しない。面白くない。
特に、低音部から高音部に捲し上げるような吹き方は、まるで、素人が好んでやるようなフレーズで、これが頻繁に登場する。とても耳障りだ。
グループ全体としても、全編、バラードで緊張感や躍動感に欠ける。実に退屈だ。
車の運転をしながら聴くのは危険だ。睡魔が襲うから。

こんな状態だから、ドラムスがジョージ・ロッシからビリー・ヒギンズに替わったとしても、大差ない。メルドーのピアノに大きな変化はみられない。むしろ、遠慮がちであり、鳥肌立つような凄みや迫力は全くといって良いほど感じられない。
残念だ。                                     (2001.10.12.)



CHARLES LLOYD

独断的JAZZ批評 31.