独断的はZZ批評 334.


LYNNE ARRIALE
10年もの長きにわたって続いてきた割にやっていることがコンサバティブだ
逆に10年も続いたから保守的になったのかもしれない
"COME TOGETHER"
LYNNE ARRIALE(p), JAY ANDERSON(b), STEVE DAVIS(ds)
????年?月 スタジオ録音 (発売:2004年9月) (IN & OUT RECORDS IOR CD 77069-2)

女流ピアニストが不動のメンバーで迎えた結成10周年のアルバムだという
結構沢山のサイトで試聴ができる
2曲目の"HOME"が圧巻だというが・・・
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このアルバムはこのグループとしての10周年アニバーサリーとして制作された9枚目のレコードだという。一口に10年というが、これはジャズのグループとしては息の長いコンビといえるだろう。

@"COME TOGETHER" 
何かとても古い音楽に聴こえる。
A"HOME" ARRIALEの作曲家としての実力を感じさせる美しい曲。美しい曲であるというのは紛れもない事実。ただ、美しいだけで終わってしまっているのが惜しい。
B"BRAZILIANA" 
C"RED IS THE ROSE" Aに負けない美しいアイルランド民謡。
D"SUNBURST" 
E"FLAMENCO" 
F"IKO,IKO" 


G"SEA AND SAND" ARRIALEのオリジナル。"MOON AND SAND"(JAZZ批評 275. & 321.)という似たようなタイトルのスタンダードの名曲があるが、それにも劣らない良い曲だ。この曲ではベースのANDERSONも良く歌っている。やはり、こういう風に3者のインタープレイや躍動感が生まれてこないと面白くない。このアルバムのベストはこの曲だと僕は思うのだが・・・。
H"TWILIGHT" これもARRIALEのオリジナルだが、なかなか良い曲だ。

このグループとしての完成度にクエスチョンマークが付く。10年もの長きにわたって続いてきた割にやっていることがコンサバティブだ。逆に10年も続いたから保守的になったのかもしれない。だから、新鮮味に欠ける。
@C以外は全てARRIALEのオリジナルだ。また、ACGHの4曲は美しい曲が揃った。このARRIALEは作曲家としても非凡な才能の持ち主で、特に美しい曲が得意のようだ。
惜しむらくは、サイドメンとの間にもっと緊密感や一体感があれば良かった。長い間、グループとして演奏を共にしていたわりには丁々発止のインタープレイがないのが惜しい。演奏も若干、教科書的であり、「遊び」がない。従い、艶っぽさやセクシーさに欠ける。これだけの美しい曲があるのだからバラードといえども静かな躍動感が欲しかった。
たまには浮気でもして、違うメンバーとセッションを組んでみたら新しい発見があるだろう。今一度、違うサイドメンを従えた演奏を聴いてみたいと思った。   (2006.04.23)