JANCSI KOROSSY
録音時間の辻褄合わせをするよりは価格に反映してもらった方がバリュー・アップにつながると思うがいかがだろう?
"KOROSSY"
JANCSI KOROSSY(p), JOHNNY RADUCANU(b) BOB IOSIFESCU(ds:@〜G),
DUMITRU MARAILA(ds:H〜I), COCA MORARU(ds:J〜L), DAN MINDRILA(ts:L)
1965年7月〜1968年1月 スタジオ録音 (ELECTRECORD NOCD5681)
ライナーノーツによれば、このアルバムは、もともとルーマニア国営ELECTRORECORDに録音された10インチのLP盤だったものをCD化したもので新たに5曲が追加された。@〜Gは1965年の7月から8月に掛けての録音。HとIは翌年の演奏だ。Jが1967年2月、Kが1968年9月、Lが1968年6月という風に、言ってみれば寄せ集めてCD化したものだ。
このJANCSI KOROSSYというピアニストはルーマニアのピアニストであるが、1970年にアメリカに亡命し海を渡ったそうだ。確かに、フィーリングがアメリカのそれと微妙に違っていて、独特の世界を築いている。
@"NIGHT IN TUNISIA" 強靭な4ビートを刻むベース・ラインに乗ってピアノが踊る。
A"MY FUNNY VALENTINE" イントロの入り方といい独特の節回しでテーマに入って行く。今までにたくさんのこの曲の演奏を聴いているが、この演奏は独特異質なフィーリングに溢れている。このアルバムのベストだと思う。
B"BLUES FOR GARRY" この曲も不思議な世界を持っている。
C"JUNIOR" ピアノ・ソロ。
D"BROADWAY"
E"BODY AND SOUL" ソロ。
F"TIP-TOP" ソロ。
G"BUT NOT FOR ME" テーマをかなりアレンジしている。
H"LIMELIGHT"
I"WORK SONG" ベースがフィーチャーされているが、あまりいただけないな。
J"FIRE,FIRE !"
K"REFLEXES"
L"IN A HARRY" テナーサックスが入る。
もともとアナログ・レコード盤用として録音された演奏をCD化するときに、「ボーナストラック」として新たに何曲か追加されて発売されることが多い。特に、日本盤はこうした傾向が目立つが、これはある意味余計なお世話とも言える。「ボーナス・トラック」と言えば聞こえはいいが、録音時間の短いアナログLPでは採用されなかった落ちこぼれ。概して、追加することによりバリュー・ダウンするケースの方が多い。録音時間の辻褄合わせをするよりは価格に反映してもらった方がバリュー・アップにつながると思うがいかがだろう? (2005.02.03)