苦痛とまでは言わないが、
また聴いてみたいと思わせる何かが足りない
"NAUTILUS U"
GREGOR MULLER(p), HERBERT KRAMIS(b), PIUS BASCHNAGEL(ds)
2002年8月 スタジオ録音 (YVP MUSIC 3113 CD)
このCDはドイツ盤だが、それ以上のことは分からない。ジャケットの意味するところも不明だ。ヨーロッピアン・ジャズの典型と言っても良いのだろうか。洗練されているというか、灰汁がないというか、深みのない演奏に終始する。エモーショナルな部分もあるのだが、もうひとつ噛み合わせが良くない。
プレイヤーもそこそこ弾くし、グループとしてのまとまりもまあまあだ。でも、それ以上のものがない。何とも評価しづらいアルバムなのだ。
「独断的JAZZ批評」といえどもこういうアルバムは一番評価しづらい。悪くもないし、かといって、積極的にお奨めするほど良くもない。この批評を書くにあたって随分聴いたが、やはりそれ以上のものがない。インパクトに欠けるというのか、印象に残らないというのか・・・・。BGMと割り切って流しておくには良いかもしれない。
@"YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO"
A"ALL OF YOU" アドリブの後半になるとやたら騒がしい。
B"LAMENT" J.J.JOHNSONの書いた美しい曲。
C"WALTZ FOR DEBBY" 言わずと知れたBILL EVANSの佳曲。こういう名曲は世の中に素晴らしい演奏が五万とあるから余程の演奏でないと辛いものがある。
D"NAUTILUS U"
E"HOW INSENSITIVE" A.C.JOBINの曲。一番、躍動感がある。このピアニスト、中音部から高音部を使いすぎだと思う。中低音部をもっと上手に使えば効果的だと思うが・・・。
F"MIENTRAS AMANECE" スロー・バラード。
G"THE WAY YOU LOOK TONIGHT" 最近ではJOHN HARRISON Vが"ROMAN
SUN"(JAZZ批評 167.)の中でも演奏している佳曲。聴き比べたら・・・・勿論、HARRISON Vの勝ち!躍動するピアノとベースとドラムスの差だね。
H"ALONE TOGETHER" アレンジに凝ってはみたが。
苦痛とまでは言わないが、また聴いてみたいと思わせる何かが足りない。我慢して随分聴いたが、結局のところ、面白くないのだ。そうは言っても、好きな人にはとても好まれるアルバムだと思う。当たり前か! (2004.02.02)
GREGOR MULLER