BRAD MEHLDAU
5月25日(金)21:30〜23:10 Blue Note Tokyo
BRAD MEHLDAU TRIO BRAD MEHLDAU(p),LARRY GRENADIER(b),GORGE ROSSY(ds)

圧倒的なテクニックと豊富なイマジネーションは現実のものとなった。
レコーディングされた全てのCDが素晴らしかったブラッド・メルドー・トリオのライヴは、やっぱり生で聴いても素晴らしかった。
この日、2回目のステージは100分間休みなしの連続演奏で聴く者を釘付けにした。
美しいピアノの旋律は聴くものの予測をすこしずつ裏切りつづける心憎さと、「あっ」というアイディアに満ち溢れていた。
特にスローバラードのイントロではこれでもかというほどの歌心を発揮し、魅了しつづけた。
僕は完全にノックアウトされてしまった。

ラリー・グレナディアのベースは、その音質の良さとしっかりしたテクニックは特筆に価する。今までのどのCDよりも素晴らしい演奏をした。
ビートのきいた野太い音、躍動感溢れるフレーズで聴く者を圧倒し続けた。
今までの演奏ではどちらかというと地味な感じを否めなかったが、パット・メセニーがほれ込んでトリオを結成したというのが理解できるほどの素晴らしい演奏を披露した。
このベーシストは演奏している間にどんどん進化をしてきたという印象だ。

ドラムスのホルヘ・ロッシイも、このトリオにはなくてはならない存在感を植え付けた。

このトリオは誰もが音楽に真正面から真摯な態度で取り組み、飽くなき追求をするという姿勢に溢れている。
100分の演奏時間は「あっ」と間に終わってしまった。それほどの素晴らしい演奏であった。

が、敢えて、更に欲張れば、僕個人としてはメルドーのソロピアノを生で聴いてみたいと思った。




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美しい旋律、溢れる躍動感、三位一体の緊迫感!

感動の100分はあっという間に過ぎ去ってしまった。

独断的JAZZ批評 9.