独断的JAZZ批評 930.

JOEY CALDERAZZO
ソロで10分持たせるにはそれなりのテクニックとインスピレーションが必要だ
"HAIKU"
JOEY CALDERAZZO(p)  2002年8月 スタジオ録音 
(MARSALIS MUSIC : 11661-33052)


引き続いて、ピアノ・ソロ。JOEY CALDERAZZO。
先日紹介したCALDERAZZOの新譜、ピアノ・トリオ盤"GOING HOME"(JAZZ批評 925.)は期待していた以上に素晴らしいアルバムだったので、他のアルバムを調べてみたらいくつか気にかかるものがあった。運よく、2枚の中古盤をゲット出来たのもラッキーだった。そのうちの1枚が本アルバム。2002年の録音と少し古めだが、果たして?

①"BRI'S DANCE" 休みなく弾き倒すって感じ。指は良く動くし、テクニックはある。良いピアニストって右手と左手で会話しているんだなあ。だから、音符が多くても気にならない。
②"HAIKU" 
このタイトルは「俳句」を意味しているらしい。CALDERAZZO自身のお気に入りのオリジナルなのだろう。トリオ盤でも演奏されているが、それは後日。とても美しい曲で、メロディ・メーカーとしての実力の片鱗をみせている。
③"THE LEGEND OF DAN" 
ガッツと躍動感にあふれるワルツだ。
④"CHOPIN" 
ここまでの4曲はCALDERAZZOのオリジナル。今回のタイトルは「ショパン」だ。優しい調べだ。
⑤"JUST ONE OF THOSE THINGS" 
スタンダードだけど、一捻りしてある。指でも鳴らせばご機嫌になれる!
⑥"DIENDA" 
今は亡き、KENNY KAIRKLANDの曲だという。BRANFORD MARSALIS QUARTETの前任ピアニストだった。ここではしっとりとバラード。
⑦"A THOUSAND AUTUMNS" 
BRANFORD MARSALISの曲。幻想的で静謐なバラード。
⑧"DANCIN' FOR SINGLES" 
一転してブギウギ風の剽軽な演奏だ。
⑨"MY ONE AND ONLY LOVE" 
大好きな曲のひとつ。しっとりと聴かせてくれますなあ!
⑩"BRI'S DANCE - REVISITED"
 

ピアノ・ソロで10分超のトラックが②と④の2つある。長ければ良いというものではないが、ソロで10分持たせるにはそれなりのテクニックとインスピレーションが必要だ。そういう意味でもなかなか良いピアニストだと思う。この長尺の2曲と⑨のしっとり系の演奏がとても良かった。
運よく、中古盤がゲット出来たのはラッキーだった。CDの場合は新品と中古盤の差は、音に出てくると分かり辛いものだ。価格もリーズナブルだったので、これはラッキーとしか言いようがない。   (2015.04.11)

試聴サイト:https://www.youtube.com/watch?v=XrbeKVahbL8
        https://www.youtube.com/watch?v=Da0a4LDKoTI
        https://www.youtube.com/watch?v=x0G8Gn_Kiak 



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