独断的JAZZ批評 912.

BARRY HARRIS
ジャズ界のレジェンド!
"LISTEN TO BARRY HARRIS...SOLO PIANO"
BARRY HARRIS(p)
1960年12月 スタジオ録音 (RIVERSIDE : OJCCD-999-2)


2014年、最後のレビューは、今更ながらにBARRY HARRISの登場である。1929年生まれのHARRISは現在、85歳になる。今も活躍している数少ないハード・バップ・ピアニストだ。
ピアノ・トリオでは1969年の"MAGNIFICENT!"(JAZZ批評 92.)や1996年の"FIRST TIME EVER"(JAZZ批評 20.)という頬擦り盤がある。

今年の10月に野暮用で何回か函館に行った。その時のジャズ喫茶巡りで出会ったアルバムだ。リーダ作として最も古い1960年の録音で、代表作と言われる"AT THE JAZZ WORKSHOP"と同じ時期、しかも、数少ないソロ・アルバムでもある。

@"THE LONDONDERRY AIR" Wikipediaによれば、アイルランド民謡のこの曲に歌詞を付けたものが"DANNY BOY"ということらしい。甘さに流されない渋い演奏だ。実に味わい深い!これぞ、HARRISの持ち味でしょう!曲も良ければより一層心に沁みる。
A"MUTATTRA" 
この曲はART TATUMに捧げたHARRISのオリジナル。
B"LOUISE" 
ソロ・アルバムだからか、リリカルなテーマの曲が集まった。どちらかというと淡々とした演奏だ。
C"BODY AND SOUL" 
こういう有名スタンダードを弾かせても一味違うところがいいんだなあ!この時、HARRISは31歳。全然、脂ぎっていない。むしろ、自然体で枯れた味わいすら感じさせる。
D"ASCENSION" 
バド・パウエル派と言われるHARRISの面目躍如。ここではバップ・テイストの元気な演奏を聴かせてくれる。
E"ANACHRONISM" 
HARRISのオリジナル・ブルース。ミディアム・スローのアーシーなブルースだ。1950年〜60年代の匂いがする。
F"I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS" 
これも有名スタンダード。
G"TEENIE" 
軽快にスイングして気持ち良さげに弾いている。
H"SPHERE" 
この"SPHERE"というのはT. MONKのミドルネームらしい。もちろん、MONKに捧げたHARRISのオリジナル。
I"DANCING IN THE DARK"
 

前掲のJAN LUNDGRENのピアノに比べると明らかに音色が硬質。このCDは1998年にリマスターされているが、この硬質感が時代を感じさせていいね。この硬質な音色がより一層HARRISのピアノの持ち味を引き立たせている。
もう生きているだけでジャズ界のレジェンドと言ってしまっても良いかもしれない、BARRY HARRIS !
まだまだ長生きして活躍してほしいプレイヤーの一人だ。

試聴サイト:
https://www.youtube.com/watch?v=MroBjSK3o_c



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