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『映画を愛する君へ』(Spectateurs!)['24] | |||||
監督 アルノー・デプレシャン
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ゴダールの『映画史』は全8章だったが、こちらのほうは、ブーグローの絵画『ヴィーナスの誕生』を映し出し、「第1章:写真の発明」から説き起こしながらも、六歳のとき祖母に連れられて行った映画館での「第2章:初めての体験」たるスクリーン観賞以降は、専ら個人史として語られる全11章+エピローグ「そして、ある日」だったように思う。 個人史でありながらも、30歳のポール(サリフ・シセ)を敢えて人種を変えてアフリカ系にして配していたことが示唆するように、映画監督を志すポールは世界中に数多いるわけで、本作で引用していた映画作品の数々が示していたように、時代も国籍も越えて存在し続けるということなのだろう。 '85年に24歳で『SHOAH ショア』['85]を観たことが決定的だったとクロード・ランズマンについて熱心に語っていたから、'58年生まれの僕と作り手はほぼ同世代だ。だから、観てきた映画にも重なるところが多いものの、僕が『SHOAH ショア』を観たのは、'95年12/7だから、ちょうど十年遅れる。作り手が自身を託していると思しきポールが自主上映を手掛けた作品として登場した『ひなぎく』['66]を観たのも'91年3/6だから、僕は既に三人の子持ちになっていて、学生時分に自ら映写しながらガールフレンドと観ていたポール(サム・シェムール)にはかなり遅れる。チラシに記されていた引用映画作品54本の殆どがタイトルを知る作品で、そのうち、僕が観ているものは27本と、ちょうど半分だった。どんな作品を引用してくるのかが最も興味深いところだったが、なかなか面白かった。また、第2章で世界各地のミニシアターが映し出されていたなかに大阪のシネ・ヌーヴォや東京の国立映画アーカイブがあったのが目に留まった。 各章のタイトルは、既に思い出せないものもあるが、第3章:スタンリー・カヴェル、第4章:私の研究、第5章:壮大な挑戦、第6章:屈辱と怒り、第7章:恋愛、第8章:1980年パリ第3大学、第9章:?、第10章:目撃者、第11章:? だったように思う。映画監督としてのデプレシャンの名は以前から知りながら、これまで観る機会がなく、今回が初めてだったが、観てみたい気になった。 | |||||
by ヤマ '25. 2. 5. キネマM | |||||
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