『天空の蜂』をめぐって
映画通信」:ケイケイさん
ミノさん
ヤマ(管理人)


 【ケイケイさん mixi】2015年09月30日 23:29~2015年10月03日 09:42
ヤマ(管理人)
 映画日記、読みましたよ。犯人の動機は、僕は弱いとは思いませんでした。
 息子を死に追いやった愚民の覚醒を促すためには、派手な墜落事故を起こしても多分持ちこたえてくれるはずの施設に「蜂の一刺し」を施す必要があると思ってたのが、雑賀という“使える男”と知り合えて現実化させたんでしょうね。
 僕的には、先ごろ観たばかりのピース・オブ・ケイクで梅宮志乃(多部未華子)が零していたのと全く同じ「どうして私なの?」という言葉を赤嶺淳子が漏らしていたことがとても興味深かったです(笑)。赤嶺淳子(仲間由紀恵)は、謎でしたねー。

(ケイケイさん)
 でしょう? 利用しただけなら、あんな濃密なラブシーンはいらないし、手首の傷跡も必要ないです。メンヘラに間違われますよ(笑)。電話の使い方も、イマイチだったしね。

ヤマ(管理人)
 中途半端に描くことなく思いっきり省略してあるので、原作を読んでみようかと思ってます。そして、何よりも、雑賀というか佐竹(綾野剛)という男が如何にして、自衛隊と錦重工業を渡り歩いたかを、原作小説がどう描いているのか読んでみたくなりました。
 予感的には複数の人物を映画化に際して一人にしているような気がしています。
 また、雑賀のアパートに踏み込むべくドアをノックし声を掛けていて爆死したと思われる航空自衛隊員は、原作では女性ではないような気がしてます。

(ケイケイさん)
 綾野剛も、ほんと、経緯がわかんないです。原作で複数の人なら、一人に絞ればいいのにね。

ヤマ(管理人)
 まず自分の子供の行儀の悪さを申し訳なく思うべきでは?というのは、不貞腐れたように黙り込んで壁を蹴っていたことですか?

(ケイケイさん)
 違います。勝手にヘリに乗り込んだことです。立ち入り禁止の立札はなかったですが、もう一人の子供が、「もう戻ろうよ」とびくびくしていたので、ダメだとはわかっていたはず。
 この場合は、まずは警備の不備を責められるべきですが、幼い子がしたことで不問としたいのなら、不案内な場所に子供だけ残した母親の責任でもあります。だから、親として一言謝罪があってしかるべきですよ。
 壁の件も、車の中だけなら家族の内輪事ですが、他人の居る場所では、子供の気持ちを慮ってのこととはいえ、母親は注意すべきです。父親を怒るのはお門違い。子供の父に対する気持ちをわかっているのなら、もっと早い段階で夫に知らせるべきです。このお母さん、私はあんまり好きじゃないです。結構自分勝手ですよ、このお母さん。息子の気持ちより自分優先です。観客の同情を引くべき存在のはずなので、ここも上手く機能していませんでした。

ヤマ(管理人)
 ま、あの妻の描き方は、幼い高彦(田口翔大)が両親の離婚を察知して動転する展開へ持っていくためのものでしょうね。こりゃもう修復不能だろうなって観客に思ってもらいたいでしょうから。

 それにしても、なかなか手厳しいですね。少し迷いましたが、せっかく返していただいたので、久々の談義をば(笑)。この場はあまり適切でないのかもしれませんが…。

 >>赤嶺淳子(仲間由紀恵)は、謎でしたねー。
 あんな濃密なラブシーンはいらない
 え? そんなんありましたっけ?(笑) バスローブまとったままじゃありませんでした?

(ケイケイさん)
 事後の後は明白でしょ? バスロープでも裸より濃密な空気が流れてましたよ(笑)。このへんは流石、二人ともベテランだなと思いました。

ヤマ(管理人)
 手首の傷跡も必要ない
 ワケあり人物ってことを示したかったんでしょうね。

(ケイケイさん)
 同じ目をしているって言うの、自殺願望ありなのか、肉親を亡くした事なのか、阪神大震災で両親を亡くしたと言う設定も必要なかった気がします。
 綾野剛は、背景をきちんと描いて欲しかったですね。原作にないなら、映画の創作でもいいんですよ。あれでは、あまりに消化不良でした。

ヤマ(管理人)
 綾野剛も、ほんと、経緯がわかんないです。原作で複数の人なら、一人に絞ればいいのにね。
 いや、それは…。
 自衛隊に通じている人物も要るし、ビッグBに通じている元錦重工業の技術者も要るし、森崎監督の生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言['85]に描かれたような“原発ジプシー”も要ると思うんですが…。

 >>不貞腐れたように黙り込んで壁を蹴っていたことですか?
 違います。勝手にヘリに乗り込んだ事です。
 まさか無人で飛び立つとは思いもよらないでしょうし、誰もいなきゃ、そんくらいのこと、しますよ(笑)。両親が離婚して、母方に引き取られることになれば、もう二度とない機会ですもん。

 立ち入り禁止の立札はなかったですが、もう一人の子供が、「もう戻ろうよ」とびくびくしていたので、ダメだとはわかっていたはず。
 いけないことをしたがるのは人間の本性ですよ(笑)。

(ケイケイさん)
 まぁね(笑)。でもあんなに簡単に入り込めるって言うのは、ちょっと考えられません。このへんはマルさんにお聞きしたいな。

ヤマ(管理人)
 技術者の父に憧れて自力でモールス信号を習得した高彦ほどには、もう一人の子供は、ビッグBに興味がなかったんでしょうね。

 この場合は、まずは警備の不備を責められるべきですが、…不案内な場所に子供だけ残した母親の責任でもあります。だから、親として一言謝罪があってしかるべきですよ。
 それはそうでしょうが、そんな冷静な親ばっかりじゃありませんって(笑)。ましてや彼女は本当は引き渡し式など自分は来たくなかったのに、夫の誘いに高彦が乗って来たがって仕方なく付いてきてたのでしょうから、何か事が起これば、全て晴れの式にこれみよがしに連れ出した夫のせいだと逆上してしまうんでしょうよ。それが判るから湯原(江口洋介)も妻に謝るんでしょうね。

(ケイケイさん)
 じゃあ、付いてこなければいいんですよ。
 これ見よがしというより、夫とすれば、今までの謝罪の気持ちがあって、妻子を呼んだと思います。

ヤマ(管理人)
 同感です。でもそれが多分、妻には「これ見よがし」に映るとこまで来てるだろうってことです。

(ケイケイさん)
 それに乗ったのは、妻も夫同様、歩み寄る気持ちがあったからだと思います。

ヤマ(管理人)
 どうやら、離婚という結論を既に出していたようですし、僕はそんなふうには感じ取れませんでしたが、そうなのかもしれませんね。

(ケイケイさん)
 それをお互いいがみ合った結果があれでしょう? 一方的に夫を責めるのはどうかと。それ以上に、それを肯定する描き方に疑問がありました。

ヤマ(管理人)
 僕には特段、妻を肯定するように描いていたとも映りませんでしたが、どうやら本作をケイケイさんがお気に召さなかったのは、この湯原の妻の描き方にカチンと来たからってことのような気がしてきました。
 いろいろな突込みどころっていうのも、そこんとこに端を発しているのでは?(笑)

ヤマ(管理人)
 壁の件も、…他人の居る場所では、…母親は注意すべきです。
 あれが父親に向けてのサインとしてのモールス信号だったっていうのは、本作においては、けっこう重要エピソードですよね。

 父親を怒るのはお門違い。…もっと早い段階で夫に知らせるべきです。
 あとでダメージにして教えたかったんでしょうね。そういう段階に至っていたのだと思いますよ、彼女は。

 私はあんまり好きじゃないです。結構自分勝手ですよ、このお母さん。…自分優先です。
 そうですね。決して希少種ではないように思いますが、好感は持たれませんよね。

(ケイケイさん)
 いますいます(笑)。

ヤマ(管理人)
 観客の同情を引くべき存在のはずなので、ここも上手く機能していませんでした。
 観客に対しては、彼女への同情を引くことよりも、湯原家の崩壊状態を印象付けることに主眼があったように思うので、事ここに至っていれば、ということでは機能していたように思いますよ。

(ケイケイさん)
 私は湯川家の家庭崩壊、この作品に全く要らなかったと思っているんです。子供の救出劇も、時間がなければなくても可。湯川は技術者としての誇りと意地を見せてくれる存在であれば、充分だと思います。浮いた時間は、モックンの背景をもっと描きこんでくれたら、もっと彼に共感出来たと思うし、綾野剛や仲間由紀恵も描きこめるでしょ? 原作をいたずらになぞるより、バッサリ刈りこんだ脚本にした方が、絶対メッセージが明確になると思いました。
 妻云々じゃなくて、江口家族は全部気に入りません(笑)。というか、他の方のコメントにも書きましたが、あの家族のシーンは全部要らないと思います。技術者としての江口洋介だけで十分。それならテーマも絞れたし、引き締まったと思います。

 ヤマさん、どのへんで妻が離婚を決めていたと感じられましたか? 私はかなり険悪だけと、そこまでは感じられませんでした。

ヤマ(管理人)
 湯原が同僚に離婚の話をしているのを聞いてしまった高彦くんが表に飛び出して行き、ビッグBを格納してある倉庫に入っていくんじゃありませんでしたっけ?
 うえに両親が離婚して、母方に引き取られることになれば、もう二度とない機会ですもん。と書いたのも、父親がそういう話をしているのを高彦くんが聞いてしまった場面を受けてのものです。だから、「妻が」というわけではなくて、夫婦間でということになろうかとは思いますが、離婚を求めたのは、妻のほうではないかという気がしていますね。

(ケイケイさん)
 てっきり妻のほうだと読んでしまいました。失礼しました。夫婦間で決めたことですよね。でも、私も妻からの求めだと思います。ご指摘の箇所は記憶しています。このシーンも嫌い(笑)。
 まぁ男なんて、「出て行け!」とか「離婚だ!」とか、心にもないこと言うもんですよ(笑)。でもそれを、会社の同僚に言うのはどうかと。居酒屋で与太話しているわけじゃなし、何て軽い男かしらと。
 子供が真剣に受け取るのはいいんですが、演出が不味い。息子の驚愕の表情を観た時、同情よりシラケました。演技のせいもあるでしょうが、子役だし演技指導もありますよね? あそこは、陰から聞いてしまうのほうが、自然だと思いました。

 震災でのモールス信号の件も、家族揃って映すことないんですよ。息子と父親だけの話を、妻が陰から聞いていたでいいし、出産の時の出張の件も、夫が出張なら、初めての出産だし、どちらかの親を頼ればいいことです。誰もいないのは不自然だし、自然に描きたいなら、何か背景を語らなきゃ。
 いろいろとチグハグなんですよ。ディティールの積み重ねが全然だめです。導入から全然乗れませんでした。それ以降も感想に書いたように、登場人物の描き方が中途半端過ぎて、最後までなんじゃこれは? の連続でした。
 個人的には落合モトキの殉職した刑事さんが一番良かったです。彼の死も、あの軽い扱いは何だ?と、少し怒っています(笑)。



 【ケイケイさん掲示板】2015年10月12日(月)13時25分~2015年10月25日(日)12時22分
ヤマ(管理人)
 ミノさん、ケイケイさん、こんにちは。
 『天空の蜂』では思いがけない視座からの引っ掛かりというものを教えていただき、おぉ~そうなのかぁと実に新鮮でした。自分では絶対に気付かないとこでしたから、 非常に興味深く感じるとともに、映画という表現の面白さ、難しさを改めて思いました。 思わぬご意見を伺うことの妙味というのは、こういうところにあると思います。
 『バクマン。』は僕も楽しみにしている作品です。

(ケイケイさん)
 ヤマさん、こんばんは。『バクマン。』は、絶対観て下さいね。
 『天空の蜂』からの、次の映画は『バクマン。』しかありません(笑)。まっ、ワタクシたちにとっては、悪夢を払拭しなければならないので(笑)。お口直しにはあまりある感激でしたね>バクマン。

(ミノさん)
 ケイケイさん、ヤマさん
 「天空」からの「バクマン」グループへようこそ~。ヤマさんが『バクマン。』観て、仲間入りめでたいです。

 私も親が視界にない高校生の物語は、正解派です。あの少年ジャンプを舞台に、構築された世界観に、親とか現実的な要素を入れると世界観が崩れます! 学校の先生も顔なしだったでしょう?(笑) あれでいいんです!

 マンガや小説といった原作のある「天空」や「バクマン」の、相当な情報量を持って実現された原作世界を2時間やそこらの映画時間のなかでそのまま再現することは、はなから無理であり、どこかに集中力を持って再構築しないとしょうがないわけですが、不要な親との家庭ドラマを登場させなかったことにより成功してる「バクマン」と、江口のいらん安い家庭ソラマ(ケイケイさん談(笑))に時間を消費した「天空」で結果が分かれたということでしょうか~(笑)。

(ケイケイさん)
 イエスイエス!(笑)。
 確かに「家庭愛or男女愛or友情」を入れないと、娯楽作は成り立たない説もわかるんですが、両作品を天秤にかけると、「友情・努力・勝利」と言う手垢のついた青春を描いても、全くお安くなかった「バクマン。」は、やっぱサイコーではないかと。お安くなくても、お高くもないと言うところが、娯楽作として成功していたと思います。

(ミノさん)
 ヤマさんの言う通り裏テーマとしての●●問題を浮き上がらせるしかけは健気なんですが、編集長の言う「よく出来てる。だが面白くない」というのは良い得て妙で、やはりどんな裏事情があっても、エンタメ作品は、見える部分として「面白い!」と観客に思わせてナンボです。どんなに崇高なテーマを持った作品でも、見てる人が退屈するとか面白くない~では、自主制作でもやってなさい、ということになるかと・・

(ケイケイさん)
 うん、やっぱりこの歳になると、お金払って時間かけて、「すごい完成度高いけど、問題作だけど、面白くなかった」作品より、とにかく面白い作品を観たいわけで。面白いにも、色々ベクトルはありますけどね。『ハンナ・アーレント』も、ワタクシ的には娯楽作でありましたから。

(ミノさん)
 「天空」はいくらでも面白く作れたと思いますよ、うん。モックンは達者だからあのまま残して、江口→唐沢への差し替え。あと脚本を再構築すれば~って、ほぼリフォームより建て替えですね(爆)。

ヤマ(管理人)
 要は面白さ、ごもっとも、です。僕が『天空の蜂』を買ってるのは、別に「完成度が高くて問題作」やからじゃなくて、やっぱ率直に面白かったからですよ。まぁ、ケイケイさんおっしゃるところの「面白いにも、色々ベクトルはありますけどね」かもしれんけど(たは)。

(ケイケイさん)
 それは何より。でもお話していた時に思いましたが、あの楽しみ方は、多分少数派ですね(笑)。この作品を高評価する方は、また別のベクトルで素直に観ていらっしゃるような。

ヤマ(管理人)
 そうかもしれませんね(笑)。でも、評価はやや異なりますが、観点としては共通している方もいますよ。映像化絶対不可能というのは、多分にアクションなどの凄さではなく、原発を扱っているだけに、国や県をはじめ、各方面との折衝が困難だったということは想像できます。その意味では、映画化実現は、よくやったということはあるかもしれませんと書いておいでました。ちょくちょく覗きに行くとこですが、多数少数はもちろん分かりません。

(ケイケイさん)
 いえいえ、私のお友達もこの手の感想を書いていらして、やはり良作と書いていらっしゃいました。映画に精通していらっしゃる男性です。これが共通項ですね。男性的観方なのかもしれません。

ヤマ(管理人)
 じゃあ、少なくもないのかもしれませんね。でも確かに、女性でこの観点に立った方の感想には、少なくとも僕は行きあたってませんね。

(ケイケイさん)
 女性でも高評価の方はいらっしゃいますね。私が激安に感じた家族愛やら原発の提議に対して素直に感じ入っていらっしゃるという(笑)。私も天邪鬼なんでしょうか?(笑)。
 これテレビならそんなに思わなかったような。昨日『素敵な金縛り』を斜め見ながら、劇場で観た時はかなりシラケたんですけど、テレビではそうでもないなと。内容のコクがテレビ規格に思えました。映画は、映画のスケールが欲しいところです。

ヤマ(管理人)
 その『素敵な金縛り』は劇場でもテレビでも未見ですが、『天空の蜂』だって、そりゃ率直な面白さにおいても東京原発['02]には及んでない気がしますがね。

(ケイケイさん)
 それ未見なんですよー、観たいなぁ。 勇気ある劇場、出でよ(笑)。

ヤマ(管理人)
  一番のメッセージ的な部分を悪役に仕立て上げたモッくんに言わせるエクスキューズに、工夫というか作り手側の強かさが現れてて、また、そこはメインテーマじゃないよっていうエクスキューズとしての家族再生物語ぶりがまたニマニマを誘ってくれたわけです。いかにもエクスキューズらしい雑さが見合っていて尚更に(笑)。あ、そこんとこは、モッくんと仲間由紀恵の関係の描出の粗雑さにも言えることです。「本丸ここじゃないからね~」っていう狼煙のようなものでありまして(笑)。

(ケイケイさん)
 エクスキューズ多すぎ(笑)。その複雑さにワタクシたちは、ええい!あれもこれもいらんのじゃ!と、憤りを感じたわけでして(笑)。

ヤマ(管理人)
 まぁね(笑)。だから、そこで憤りを感じるかニマニマになるかの違いは大きいですよね。でも、それを除けてストレートに映画化しようとしても製作費は調達できないわけで。

(ケイケイさん)
 まず映画化することに意義があると言うわけですね。

ヤマ(管理人)
 あの時も言いましたが、永田ラッパの大映が市川監督で野火を映画化した'59年と違い、今や世界的な監督にさえなっている塚本晋也が挑んでも自主制作的な形でしか撮れないわけで…。 経済界でのタブー度で言えば、原発は『野火』以上ですからねー。
 それにしても、ミノさんの『天空の蜂』へのディスりよう、ケイケイさんとこのmixiコメントに書いた僕には特段、妻を肯定するように描いていたとも映りませんでしたが、どうやら本作をケイケイさんがお気に召さなかったのは、この湯原の妻の描き方にカチンと来たからってことのような気がしてきました。いろいろな突込みどころっていうのも、そこんとこに端を発しているのでは?(笑)っていうのを思い出しましたよ(あは)。だって僕は、それこそ「見える部分として「面白い!」と」思えましたから。

(ケイケイさん)
 そこの差ですよね、ヤマさんと私たちの違いは。

ヤマ(管理人)
 はい。
 その点、『バクマン。』は良くも悪くも観たまんま、なので、気持ち良く楽しみましたが、ニマニマ感は湧いて来ないのが少し物足りなさとしてあります。

(ミノさん)
 ほんとに、天邪鬼だわ~(笑)。

ヤマ(管理人)
 うん。自認してます(笑)。

バクマン。』Mixi日記 2015年10月14日22:55
 なかなか後味の好いエンディングに続いて流れたエンドロールというかエンドスライドが実に素敵で、思わず笑みが零れてきた。最後から2,3冊目の「エンドロール」の背表紙が森諭と中島賢二となっていた。それぞれの単行本コミックの背表紙タイトルが面白くて、カメラDには、監督の名前も出てきていたように思う。
 すっかり曲者ばかり演じるようになっていた気のする山田孝之が好漢編集者の服部哲を演じていて意表を突かれたが、なんとも愉しく若さが好もしい作品だったように思う。
 大いに感心したのが、動きがないと絵にならない映画において、動画にせずに漫画をどう動かすかに腐心した工夫が随所に観られたことだ。線や墨を加えることでの動きというか変化だけでは映画としての画にはならないなかで、決して動画にはしなかったところが買いだった。
 僕自身は、秋人(神木隆之介)や最高(佐藤健)と違って、十代時分に運動部・文化部・生徒会と節操なく手出しをしていたから、逆に言うと、こんなふうにとことん打ち込んだものがなく、そういう意味では、少なからず眩しい若者像だった。
 それにしても、新妻エイジ(染谷将太)には、何だか『デスノート』['06]で松山ケンイチが演じていた“L”の雰囲気があったが、原作漫画の『バクマン。』でも、そういうキャラ設定だったのだろうか。


(ミノさん)
 ケイケイさんがお話していた時に思いましたが、あの楽しみ方は、多分少数派ですね(笑)と書いておいでますが、私も絶対的確信を持って、少数派と。。

ヤマ(管理人)
 ケイケイさんによれば、そうでもなさそうですが、ま、多い少ないはわかりません。

(ミノさん)
 ヤマさんの話聞いてる時に「あの映画見ながらそんなこと、考えてるん、アンタだけやで!」とツッコミ入れそうになりましたもん。 近畿圏で10人くらいしかいないと思うわ~。

ヤマ(管理人)
 「近畿圏で10人くらいしかいない」ってことは、いくらなんでも流石にないとは思うけど(笑)。

(ケイケイさん)
 岡山まで足を延ばすと、もう一人知っています(笑)。

(ミノさん)
 何より驚いたのは、さて、僕が『天空の蜂』を買ってるのは、別に「完成度が高くて問題作」やからじゃなくて、やっぱ率直に面白かったからですよとのご発言でした。

(ケイケイさん)
 これは確かに私も(笑)。

ヤマ(管理人)
 僕は、お二人の“形無し評”に驚きましたもん。お互い様です(笑)。ま、だからこそ「へぇ~」が面白いんだけどね。

(ミノさん)
 それに、エクスキューズとしての家族再生物語ぶりとかいかにもエクスキューズらしい雑さ」「モッくんと仲間由紀恵の関係の描出の粗雑さにも言える「本丸ここじゃないからね~」っていう狼煙にニマニマだなんて、絶対に少数派(笑)。
 私は「天空」は見たまんまの娯楽映画としても、裏テーマとしても、面白く感じなかったので…(笑)。

(ケイケイさん)
 そう! テーマがしっかりしていて面白くなかったのなら、興味深くは観られると思うんですね。少なくとも退屈はしないと思います。

(ミノさん)
 テーマが見抜ける見抜けないはともかく「見えてる物語の体裁だけでもちゃんとしようよ~」と、泣きそうな気分でしたよ(笑)。 娯楽映画の体裁でプレゼンするなら、それでええから伏線はちゃんと張れ、みたいな。基本的なところで。

(ケイケイさん)
 うんうん、伏線はもうちょっと上手く張れたよね。仲間由紀恵とか綾野剛とかね。

ヤマ(管理人)
 いや、だから僕的には「張ってるやん」でしたから(笑)。

(ケイケイさん)
 仲間由紀恵は、私は始め脂汗かいているし、放射能の関係で癌なのかと思っていました。そしたら唐突に妊娠って。昨日わかりましたって(笑)。妊娠って昨日今日わかるもんじゃなくて、もしや…という滞空時間が結構長いでしょう? 特に未婚なんやし。それを直前にわかったからいきなりドイツ止めるって、おかしいしね。モックンが心配だったからで、全然いいと思うんですが。

(ミノさん)
 私たちが『天空の蜂』をお気に召さなかったのは、この湯原の妻の描き方にカチンと来たからってとこに端を発しているのでは?(笑)って書いたことを思い出したそうですが、映画って、冒頭の何分かで、かなり判断が出来る映画もあるかと思います。

ヤマ(管理人)
 それはそうですね。「つかみOK」なのか、「あちゃ」なのかでは、作品印象が大きく違ってくる気はしますね。

(ミノさん)
 冒頭のあの嫁とのやりとりで、私はイヤ~な予感がしました(笑)。

(ケイケイさん)
 私は冒頭はそうでもなかったなぁ。夫がワーカホリックで妻が不満くらいに思っていましたが、だんだん子供の躾がなっとらん、ここで夫を責めるのは違うやろ?と、だんだん嫌いに(笑)。

(ミノさん)
 何より、あの嫁に説得力がないと、ドラマが始まらないのに、あの存在感のなさはどうでしょう。チョイ役でも江口の嫁なんだし、もうちっと、力のある役者さん使って欲しいですわ。

(ケイケイさん)
 それは絶対。仲間由紀恵とチェンジしたら良かったんやね。まぁ、仲間由紀恵もガラじゃないけど。

(ミノさん)
 そもそも、江口とモックンが拮抗してないのがいけないのもあるけど。

(ケイケイさん)
 やっぱり唐沢寿明(笑)。

(ミノさん)
 だから「天空」も正々堂々と直球で勝負して、細々と上映される、でもよかったのかもしれないと感じますよ。そのほうが噂を呼んで盛り上がるでしょ。今のあの仕上がりじゃあ、娯楽作としても問題作としても、中途半端で、何より、結果的につまんないのがいけないです。
 ってまた、ディスっちゃった・
by ヤマ

ケイケイさん mixi2015年09月30日 23:29~2015年10月03日 09:42
ケイケイさん掲示板2015年10月12日 13:25~2015年10月25日 12:22



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