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Vårförnimmelser   Op.86-1  
  6 Laulut
春の予感  
     6つの歌

詩: タバストシェルナ (Karl August Tavaststjerna,1860-1898) フィンランド
      Vårförnimmelser

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Över drivans iskristall
bländar solen vårligt.
Våren själv,som komma skall
kommer ovillkorligt.

Granen skakar av sig snön,
tallen börjar drömma,
och den lilla,djupa sjön
känner källor strömma.

Luften ligger löftesrik
som en sommardager
över frusen insjövik,
lovar och bedrager.

Ännu går ett månvarv om
innan drivan svunnit,
innan gäddan lägger rom,
innan våren vunnit.

Ännu spelar orren öm
ännu bär ej skaren,
fängslad ligger dalens ström
och helt vit är haren.

Men på drivan är det fest,
i demanteglitter
redan på dess bräm som gäst
våren,våren sitter!

雪の吹きだまりの氷の結晶の上
きらめくのは春の太陽の光
春自身は 来るときには
やってくるのだ 無条件に

モミの木は枝から雪をふるい落とし
マツの木は夢見はじめる
小さな 深い湖は
感じるのだ 湧水が流れ込むのを

空気は約束に満ちている
夏の太陽の光のように
凍りついた入江の上で
約束しつつ 欺いている

月はあともう一度満ち欠けするだろう
雪だまりがすっかり消えるまでに
川カマスが卵を産む前に
春がすべてに勝利する前に

まだ黒いライチョウは慎重に動いている
雪の厚みが重さに耐えられないから
谷間の流れは閉じ込められている
そしてウサギは真っ白だ

だが 雪だまりの上ではパーティが開かれる
きらめくダイヤモンドの間で
すでにその境ではゲストとなって
春が 春が座っているのだ!


今年の冬は例年より寒く、また首都圏では大雪が二度もあったりしてまだまだ遠いように感じられるかも知れませんが、着実に春は近付いてきているのですね。この日本よりはるかに寒い(と思われる)フィンランドの厳しい冬が、春へと変わろうとしている情景を爽やかに、そして美しく描き出したシベリウスのこの歌曲を取り上げて気持ちを盛り上げて置きたいと思います。

( 2014.02.16 藤井宏行 )


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