おさしづ 刻限 明治二十九年十月十日 | ||
いつも旨い事思うて居たら、違うで/\。話聞いて楽しんで居たのは今までや/\。来る者はよし、来る者だけは寄りてくれ。来ん者に来いとは言わん。来る者は皆寄りてくれ。内の者は筆取りするのやないで。筆取りする者皆呼んで来い/\。 さあ/\まあやれ/\長い間、やれ/\長い間十分待った/\。どうもこれまでと一つ事情ありて刻限の話と言うた処が、刻限話に錆は無し、神がするようなこの話、区域喰い違いある。よう聞き分け。 長い間長い道筋長い日ならどういう日もあろ。これまで長い間どういう話もしてある。年限数えてみよ/\。年限の事情入り込むも入り込むも、道理諭しみよ。これまで長い間、年限は早く六十年なる。それはどうもならん。 種という、種を蒔いても年によりて生えるものあれば、又生えんものもある。 この理聞き分けて、だん/\話伝えてくれ/\、何も言うまで。今の道と半年後の話と、事情一寸心に案じもあろう。道は結構な中に案じあろ。蒔き流し蒔き流し、あちらにしょんぼり、こちらにしょんぼり。蒔き流しはどうもならん。 蒔いたもの修理する。あちら一人育て、こちら一人育て、何処へ種蒔いたやらという処から生えて来る。眺めて見れば、その道筋一粒万倍という。百石蒔いて百石取る話では分からん。 たゞ一つの理から出けて来た。この話は深い心の話、前々一寸説いた処が、筆を取る者はなか/\容易やない。一寸取り掛けたら十分取りてくれ。 さあ/\今に百石蒔いて、一粒万倍取る事ばかり思うてるから、どうもならん。聞き分けてくれ/\。言うたばかりではならん。上ぼり切りたら下だらんならん。よう聞き分け。 雨降る中もだん/\凌ぎ、百石蒔いて一粒万倍という楽しみ。席や席やあら/\分かり結構と思えば結構になる。ちょい/\の話し難くかった。この結構一粒万倍分からん。煩い/\なあと思ては、どうもならん。 楽しんだ理はいつまでも/\。孫子の代まで楽しんでくれるよう。話から理を諭す。道はどういう処から出て来たる。分からん。聞き分ける者だけ聞き分けてくれ。聞き分けん、出けん者はどうとも言わん。これまで説いたで。 一度や二度や三度やあろまい。こゝへどうしましたと伝えてくれ。聞くに聞かせん、見せるに見せられん、口に言うに言われん。曇り/\濁り/\溜まるから、多いの中から他の心にちょい/\皆ある。よう聞き分け。 同じ一腹一種、我が身になるあたゑ、兄弟という親族という、皆結んでくれ/\。雨風や/\。あちらこちら津波や、地震やと言うても、遠い所は怖わいようで、聞いて真の心に無くばつい/\忘れて了う。よう聞き分ける者だけ聞き分けてくれ。聞き分け出けん者はどうもならん。 嘘と言えば嘘になる。疑えば疑わにゃならん。疑うから、世界に疑うような事出けて来る。さあ/\月が更わり年が更わり、事情だん/\多くなる。これも分かり難ない。よう聞き分け。 根出しの悪い方へは枝が枯れる/\。根出しのよい方へは枝が栄える。こら何でもない話と思えば、何でもない。 これ聞き分けば古い話。これだけ諭せば分かるやろ。今夜はこれだけ話して置く。又めん/\聞いて居る話の段取こうなったと、席に知らしてくれるがよい。これだけ知らし置こう。 |
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