---------暑い…-----------
それが今のソニックとスピリアの心境 だった。
ソニック&スピリア「「暑い」」
……(しばし沈黙)
スピリア「ソニック、今の俺の真似
か?」
ソニック「No!兄貴の方だろ?」
スピリア「ソニックだ!!!」
ソニック「兄貴だ!!!」
ちなみにソニックは青い、スピリアは赤
い体をしている。
ソニック「兄貴を見るだけで暑くなるん
だ!!!外に行って来いよ!!」
---外---
その言葉を聞いたとき、スピリアは急に
ニヤリと笑った。
スピリアは突然、何かの身支度を始め
た。
ソニックはというと、訝しげな表情をし
ている。
その荷物をよく見ると、浮き輪やパラソ
ルらしきものも見える。
暑いはずのソニックの背中に冷たい汗が
流れた。
ソニック「Hey、兄貴。もしかしてお 前…」
元気よく言ったスピリアとは裏腹にソ
ニックは露骨に嫌な顔をした。
海に……しかもスフィアと一緒…
ソニックはとても嫌な予感がした。
スピリアとスフィア、この2人がそろっ
て平穏に時を過ごせるわけがない。
それをソニックは嫌というほど分かって
いた。
ソニック「あ、兄貴!!オレはパスする からな!!!2人で行って来いよ!!」
スピリアはソニックが逃げないように縄
で固定させておき、スフィアの家に電話をした。
《はい、もしもし~。》
ノンビリとした声が聞こえる。
スピリア「おぉ!スフィアか?」
《スピリア?一体どうしたんだ??》
スピリア「実はな…」
断ってほしかったソニックの願いもむな しく------------
という力強い肯定の返事が来た。
スピリア「じゃぁ、一旦スフィアの家に
行くからな。そこでまた相談しようぜ!」
《おう!分かった!》
電話が済んだとき、ソニックは魂が抜け かかっていたとか…。
スピリアはすごい勢いで荷物とソニック を抱え、友人の家に向かって行った。
電話が済んだスフィアが、少し身支度を していた時だった。
窓の外に赤い光線と、同時に家のチャイ ムが鳴ったのは…。
スフィア「ようこそ、我が城へ。」
スピリア「何で城なんだ?」
ソニック「しかもスフィア、それ前にも 言ってなかったか?」
スフィア「とりあえず、入れよ。案内す る。」
スピリア「あぁ、ところで家にh「スフィア----!!あんた何してるの?」??」
ソニック「あ、スフィアの母さん。」
スピリア「スフィアの??」
スフィア「あ、スピリアは初めて会うん だっけ?俺の母さんだよ。」
「あら、ソニック君と、…あなたがスピ リア君ね!初めまして。」
スピリア「?俺のことを知ってるんです か?」
「スフィアが前にh「母さん!!俺達こ れから遊ぶんだって!」あら、ごめんなさいね。」
スピリア「……、スフィア。」
スフィア「?」
スピリア「今日、泊まっていってもいい か…?」
スフィア「俺は別にいいけど…母s「も ちろんいいわよ!大歓迎!!!」…だってさ。」
ソニック「…よろしく。」
スピリアは一体どうしたのだろうか?
ソニックはふと疑問に思ったが、そんな 疑問は一瞬で消えた。
スフィア「じゃぁ、海に行くか!」
スピリア「おぉ!」
スフィア「?どうした、ソニック」
スピリア「あ、お前海嫌いだったっけ? (棒読み)」
ソニック「兄貴…ワザとだろ(泣)」
嫌だと言いまくったソニックだったが、 抵抗する気力も残っていない。
ソニックはあっという間に海に連行 (?)された。
だが、「泊まっていいか」と言った時の スピリアの顔は忘れられなかった。
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
海は時に優しく、時に荒々しい。
スピリアはどちらかと言うと、海は好き なほうだ。
スピリア「(だけど…。)」
海を見ると思い出してしまうから、近年 は全くと言っていいほど海に来なかった。
ソニックを見ると、ソニックは魂がほと んど抜けていた。
ソニック「…兄貴、…わざとか…?? (泣)」
スフィア「何して遊ぶんだ?」
スピリア「そうだな~。何したいん だ?」
ソニックは半ば諦め、頭を下に向け、2 人の会話を聞いていた。
スピリア「望むところ!!!」
必死で言うソニックに仕方なくOKし、 スフィアとスピリアの2人が水泳で競争することになった。
彼らはお互い勝負好きだ。
ソニックはこういう光景を見る度に思 う。
今回は水泳、コースを泳いで先に戻った 方が勝ちだ。
-----兄貴の傷も癒えてくれたらいいんだけどな…-------
心の中で思っていることを思わず呟い
た。
スピリア「今回は勝ってやる!」
スフィア「それはこっちのセリフだ!」
じ~っとお互いの顔を見合っている。
これでは何時までたっても始まらない。
ソニック「スフィア、兄貴、準備はいい
か?」
スピリア「おぉ!」
スフィア「モチ。」
ソニックの声が終わると同時に水しぶき
が2つ上がった。
先に出たのはスピリアの様だ。青い海に
赤い色と緑色の体がよく目立つ。
しかしスフィアもそこで諦めるほど弱く
ない。
彼もあっという間にスピリアと並んだ。
すごい…。
ソニックは彼らから離れてるような感覚 がして、足を歩ませた。
--------そ れがいけなかった----------
ソニック「?ん…ΣNo!」
気がつくと、自分も海の中に入ってし
まっている。
ソニック「兄貴!!スフィア!!!」
言い終えると同時に足を攣らせ、ソニッ
クの体は海に飲まれた。
ソニック「(!!!!!!!息が…!!
スフィア……兄貴!!)」
体をジタバタ動かすが、一向に出られる
気配がない。
だから海は嫌だ。
自分が束縛される気がして-----------なのに…
スピリアとスフィアが泳いでいった時、
悲しいような、嫌だと思った感情が心を支配した。
置いていってほしくなかった。
ソニック「(俺は------------------)」
心の中で苦笑した。
そろそろ本気で息が出来なくなってき
た。
上を見上げれば、綺麗な青空が見えてい
た。
自分と同じ----------------蒼
誰かがザブンと飛び込む音がした。
ソニックは閉じかけていた目を大きく見
開いた。
スフィアとスピリアがこちらに向かって
来ているからだ。
ソニック「(何で…?兄貴----------)」
ソニックの考えを伝えようとした時、ソ
ニックの意識が闇に落ちた。
どこかで光が見えた気がした。
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
スピリア「あ、エミーが来た。」
その声が聞こえ、はじめは頭が朦朧とし
ていた。
その意味が分かった瞬間、ガバリと勢い
よく起き上がった。
スピリア「…大丈夫か?」
ソニック「?!」
いきなり真剣な表情で聞いてきた。
ソニック「…多分、ところでここは一体 どこなんだ?」
スフィア「俺の家。」
スピリア「今日はもう家でゆっくりすれ ばいいさ。」
ソニック「…これから何するんだ?」
スピリア「ん~チェス?囲碁?オセロ? それともソニックをからかうか?」
スフィア「だったら俺はソニックをから かう。」
スピリア&スフィア「「友達だから か??」」
この後もこんな言い合いが続いたとかな んとか…。
その日、スフィアの家で泊まり、翌日ソ
ニックとスフィアは帰って行った。
ちなみに、勝負はまた引き分けだったら しい。
また今度、別の勝負をするのだろうとソ ニックは思っていた。
願わくば、今度は自分を巻き込まないで いてほしい。