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バーチャルツアーで佐世保基地を俯瞰

日本平和大会プレ企画第2弾

 コロナ禍で佐世保基地に出向いての現地学習から遠のいているため、初の試みとして「佐世保基地バーチャルツアー」を10月27日にオンラインで行いました。
 佐世保基地の写真とグーグルマップ(衛星写真、ストリートビュー)を並列して、場所と建造物の変遷を確認しながらパソコンの画面越しに見て回りました。米海軍佐世保基地に絞って、ツアーの内容を紹介します。

 中核となるのが佐世保海軍施設です。ここは朝鮮国連軍の基地の一つで、基地司令部前の掲揚ポールに国連旗がかかっています。
 宿舎のほかに図書館や消防署、映画館、売店、診療所、ガソリンスタンド、マクドナルドなどもあります。建物の屋上にある太陽光パネルは「思いやり予算」で設置されています。グーグルマップには「ペンシルバニア通り」など名称が表示され、基地の中はアメリカの土地であることがハッキリと見て取れます。

 燃料・弾薬補給基地として赤崎貯油所、庵崎貯油所、横瀬貯油所、前畑弾薬庫を擁しています。地下タンクの位置や大きさ、危険度No.1の表示がある前畑弾薬庫のすぐ近くに民家があることなどが確認できます。赤崎貯油所内には戦闘医療用倉庫があります。グーグルマップで長さを測ると140m×70mの建物で、窓も飾りもないでっかい箱のようなでした。

 海外に展開している唯一の強襲揚陸艦部隊の基地でもあります。強襲揚陸艦は260mの長さがあり、他の4隻の揚陸艦と4隻の掃海艦で部隊を成しています。艦を置くためには岸壁が必要ですが、SSK(佐世保重工業)が使わせてもらっていた岸壁を日本に返還する代わりに10倍以上の面積をもつ米軍専用の岸壁を建設させ、200億円の「思いやり予算」が投じさせました。

 修理が行われる佐世保ドライドックは第2ドックのみ米軍所有で他はSSKが使用していますが、第3ドックは地位協定による米軍との共同使用で「米軍が7日前に通知すれば優先的に無償で使用できる」という不平等が今もまかり通っています。西海市に駐機している7隻のLCACも強襲揚陸艦部隊と一体のものです。

 米軍住宅地の拡張も進んでいます。西九州自動車道の延伸によるインターチェンジ(IC)の建設にかかる米軍住宅に代替地を提供。その土地は高い擁壁で造成し、11戸の住宅と公園を作りましたが、この場所への米軍住宅の建設は1990年制定の米軍マスタープランに記されており、どこまで介入があるのか懸念します。

 進む日米軍事一体強化など作戦とそれに伴う部隊編成、自衛隊施設の拡充などの解説も聞きながら、バーチャルツアーを終えました。

(2022年10月28日)