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水陸機動団が「離島奪還」を展開

 4月28日、相浦駐屯地で水陸機動団創隊と駐屯地創立63周年の記念行事があり、駐屯地が一般開放され、市民ら約3,500人が来場しました。4月7日の水陸機動団の新編行事はマスコミだけへの公開だったので、今回が市民への「お披露目」でした。駐屯地への乗用車の乗り入れができなくなり、佐世保駅と上相浦駅から送迎用のバスが運行されました。

 式典では隊員約800人と陸自用に迷彩を塗り替えられた水陸両用強襲車6両が整列。団長の青木伸一陸将補が式辞で「度重なる北朝鮮の挑発行為など日本をとりまく安全保障環境は厳しいものがある。昨日、歴史的な南北首脳会談が行われたが依然として緊迫している。陸上総隊の発足は陸自創設以来の大改革であり、水陸機動団はその改革の先端部隊として海・空自と緊密に連係し、米軍との訓練や防災訓練などを通じて多様な任務に即応できるよう全力を尽くす。夢と希望を持って全国から集まった隊員たちは、国家国民に与えられた重い使命を念頭に、世界に冠たる水陸両用部隊を目指して職務に取り組む」などと述べました。

 その後、駐屯地グラウンド一帯を敵に占拠された離島と見立て、水陸機動団による奪還の一連の行動を演じる模擬戦闘を展開しました。大型輸送ヘリ、水陸両用強襲車の他、空自築城基地のF2戦闘機2機も姿を見せました。

 現状では敵の「離島占拠」自体が想定できないのですが、仮にあったとしても海・空自が存在する中で水陸機動団の必要性はみえてきません。さらには一番の攻防戦になる水際の戦闘はなく、「敵が設置した障害物を施設中隊が処理」し、すんなりと主力部隊が着上陸した前提です。戦闘状態となれば、人的被害は必至です。いたずらに敵愾心と誤った安心感を市民に植え付けることになりかねません。

(2018年4月29日)