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水陸機動団(日本版海兵隊)発足に抗議

「離島防衛」は口実、狙いは戦争する国づくり

 3月25日、佐世保市で日本版海兵隊=水陸機動団の発足に抗議する集会が開かれました。県平和委員会と佐世保平和委員会が主催し約60人が参加しました。

 冨塚明さんが主催者報告で水陸機動団の狙いを次のように指摘しました。

 安倍内閣の「防衛計画の大綱」は、陸・海・空3自衛隊を一体的かつ迅速に海外展開させる「統合機動防衛力」を掲げた。その最初の具体化が水陸機動団である。
 運用の一元化が遅れていた陸自に「陸上総隊司令部」ができることで、自衛隊の戦闘部隊を一元化して動かす「参謀本部」が機能し、それは同時に日米の司令部機能の一体化がほぼ完了することでもある。
 水陸機動団はヘリ空母、輸送艦、掃海艇、水陸両用強襲車両、LCAC、オスプレイで統合的に運用されるが、これは米軍の強襲揚陸艦部隊の態勢と瓜二つ。佐世保はまさに日米の強襲揚陸艦部隊の出撃拠点となる。すでに昨年6月に部隊運用や訓練の仕方について検討する日米将官級会議が開催されている。
 水陸機動団は中国の離島侵攻を抑止し、また占領された時は奪還することを名目にしている。しかし中国が海軍力を強めているのは事実とはいえ、領有権を主張するのは尖閣諸島だけ。空自や海自、海上保安庁などが監視する中で、中国軍の尖閣占領は想定できない。仮に奪還が必要な事態になったとしても、空自や海自があるわけで水陸機動団の出番はない。「離島防衛・奪還」は口実に過ぎず、本当の狙いは米軍とともに海外で戦争ができる態勢をつくることだ。

 佐世保平和委員会の弦巻信幸さんは「自民党が議論していた9条改正案から『必要最小限度』という言葉が消え、際限なく『実力』を拡大するつもりだ。その真っ先が水陸機動団だ。敵前上陸をして本隊が来るまでに橋頭堡をつくる。そのためにあらゆる武器を使うことになり非常に危険だ。平和憲法を持つ日本に水陸機動団はいらない」と訴えました。

 新婦人佐世保支部の真如詠子さんは「安倍首相は国民の批判をかわすために9条に自衛隊を書き込むだけというが、中身は恐ろしい毒まんじゅうだ。災害派遣の自衛隊ではなく、戦争に行かされる自衛隊。憲法9条を守ることは海外派兵を阻み、自衛隊員の命を守ること。安倍9条改憲を断念させよう」と呼びかけました。


水陸両用強襲車両部隊の施設工事の始まった崎辺地区

(2018年3月26日)