ホームニュース一覧2014

後退する憲法問題での自治体の姿勢

春闘共闘会議が県内憲法キャラバン


諫早市との懇談

 長崎県労連とその他の県内中立労組で構成する長崎県春闘共闘会議主催で、今年も5月に憲法キャラバンを取り組みました。離島を含む全ての自治体に憲法を行政に活かす要請を行い、懇談しました(残念ながら県のみ対応せず)。5月12日には諫早市と大村市を訪問しました。

 これまでと違う、今年の特徴的な所は、自治体の憲法問題に対する姿勢が大きく後退しているのではないか、ということです。改憲に対しては、両市とも「国政問題である」として「回答する立場にない」など、改憲の是非だけでなく、憲法遵守の発言すらありませんでした。

 憲法9条や25条に関する個別の問題でも、憲法の条文や内容には触れず、市民生活の現状の説明に終始。憲法の内容や条文に触れたのは、「憲法に規定された地方自治の基本原則に基づいて…」というところだけ。憲法改悪や、国のあり方を根本から変える道州制の動きが活発な中、市町村が住民福祉の最後の防波堤となりうるのか、若干心配になりました。

 諫早市では、高すぎる国保税の引き下げが切実な市民要求として上がっています。しかし、国保税について議論する国保の運営協議会は市民の傍聴ができず、国保税引き下げと合わせて市民に開かれた運営協議会とするよう参加者から要望が出されました。

 9条との関わりでは、大村市民にとってオスプレイ配備問題が不安が広がっています。しかし、オスプレイ問題の質問については、事前の質問項目にない件については回答を控えるとなったため、懇談が紛糾しました。


大村市との懇談

 憲法問題は政治問題として、全国で講演会の後援から自治体が外れるなど、ニュースになりましたが、長崎県でも決して対岸の火事ではないと思いました。これまで、憲法キャラバンでは、首長や自治体当局に要請、懇談してきましたが、今後、自治体当局だけでなく、所属するローカルセンターの枠を超えて、当該自治体で働いている自治労傘下の組合の方々とも懇談の場を持つことも次回以降、検討してもらいたいと思います。

 平和に関する問題だけでなく、生活保護や国保問題など、各団体が様々な問題に取り組んでいます。しかし、憲法が骨抜きにされ、破壊されようとしている今の情勢です。個別課題の解決に終わらず、すべてのたたかいの土台に憲法を据えて取り組むことと、その中で日常的に自治体要請などに取り組み、それぞれの運動を収斂させていくことが必要ではないかと思っています。

(2014年5月14日)