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平和憲法の原点に立ち返って

「力によらない平和」な社会の実現を

 4月15日、長崎県平和委員会と安保破棄長崎県実行委員会は「集団的自衛権」問題を考える連続学習会(第2回)を開きました。

 ながさき平和委員会の冨塚明事務局長が「『力による平和』か『力によらない平和』か—国連憲章・安保条約・日本国憲法を考える」と題して講演。

 冨塚氏は「39年間、自衛官として生きてきたが、一発の銃弾も撃たず、静かに制服を脱ぐことができたことをささやかな誇りとしたい」という幹部自衛官の本音を紹介し、「この発言が『憲法9条の証』だった。それが今や、危なくなってきている」とのべました。「みんな戦いが好きですね。自分が勝つ側にいるからでしょ」「人間の歴史は殺し合いだった。それが平和憲法に辿り着いた」というスタジオジブリの鈴木敏夫氏と宮崎駿氏の発言も紹介。高みの見物を決め込み、日本人の行く末を考えられない安倍首相の政治姿勢を批判しました。

 また武器の発達が戦闘員・非戦闘員の区別なく殺戮する現実から戦争を禁止する潮流が生まれ、パリ不戦条約や大西洋憲章に結実したこと。それらの精神が、日本国憲法に取り入れられた歴史を語り、国連の集団安全保障の考え方は、平和をつくるために用いられる例外としての武力行使と限定されていることを強調しました。

 一方、「同盟国が攻撃されれば、自国が攻撃を受けていなくても反撃できる」という集団的自衛権は、国連が対処をするまでの緊急措置として認められたものと説明。集団的自衛権を口実に軍事介入してきた実態を話し、「自衛隊の武力行使は戦争につながることを人々は想像できていない」と指摘しました。

 アメリカは憲法発効後すぐに、集団的自衛権を行使できる日本にすべく政策転換をしてきたと説明。「憲法9条の精神からどんどん離れてきた日本だが、それでも法的な整合性は取ってきた。それを安倍内閣は勝手に変えようとしている」と批判しました。しかもアジアの緊張を高めることを通して実現させようとしていることには米国は危惧していると指摘しました。

 最後に、安保条約の「力による平和」でなはなく、「『力によらない平和』の憲法制定の原点に立ち返り、国民の多数が憲法の指し示す方向で生活できる社会の実現をめざそう」と話しました。

 当日の様子は長崎新聞とNBCテレビで報道されました。

(2014年4月16日)