4月13日、憲法改悪阻止長崎県共同センターが13年度の総会を開きました。代表委員の塩塚二朗さんがあいさつ。「自民・維新の会などが国民のあらゆる権利を奪おうとしている。いまこそ多様な運動を展開して改憲を許さない国民多数派を形成しよう」と呼びかけました。
記念講演は活水女子大学の渡邊弘さん。「『改憲』と『壊憲』—憲法の魅力をいまこそ現実に」をテーマに熱く語ってくれました。
渡邊さんは、憲法を英語でConstitutionと言うが、これには基本構造という意味があり、いまの「改憲」勢力が行おうとしているのはまさに国の仕組みをすっかり変える=「壊憲」にほかならないと指摘しました。
1980年代以降の政治の特徴は、先人たちが積み上げてきた制度を次々に切り崩してきたこと。「政治改革」の美名の下に小選挙区制度が導入され、民意が反映されず、また政党が議員を「支配」できる制度に。「規制緩和」では私たちの生活に必要な規則まで緩和されてしまった。日経連は「新時代の日本的経営」戦略を打ち出し、正規雇用から派遣雇用への転換を求め法律を変えさせた。憲法に保障された権利が次々と奪われていく。渡邊さんはこのような「改正」ひとつひとつに反対する取り組みが憲法改悪の企てを阻止するためにも重要だと述べました。
そして自民党の「改憲」草案の特徴は、(1)権力者を縛るはずの憲法を逆に国民を縛るものに変え、(2)9条2項を変えて国防軍をもち米国の起こす戦争に参加できるようにすることと指摘。そのために(3)「環境権」などを盛り込んで(ただし姑息にも権利としては明記せず)、本質をオブラートにくるみ、(4)憲法改正のハードルを低くしようとしている。
憲法を守れるかどうかは憲法に関心のない「ふわ〜ん」とした人たちをどちらが獲得できるかで決まる。「左」だけでは勝てない、いかに大きな国民的共同をつくるかが鍵だと訴えました。
(2013年4月13日)