長崎市「国民保護」協議会条例に関し
「議会審議を求める」附帯決議を可決

 「国民保護」法の成立を受けて、長崎市議会でも06年度中に「保護」計画を策定するための「協議会」条例等の審議が行われています。
 「国民保護」法はアメリカの無法な戦争への国民強制を円滑に運び、日常的に「戦時体制」を構築するためのものです。加えて国や県の「保護」計画は核攻撃を受ける事態を想定し、被爆国・県とは思えないほど荒唐無稽の「対処法」を挙げています。核攻撃から市民を「保護」することなど絶対にできないのです。被爆者団体は怒りの声を上げ、計画の撤回を陳情しました。
 さらに、このような重大な問題に市議会が審議も議決もできないことも明らかとなり、3月16日の総務委員会で条例案そのものは賛成多数で可決されましたが、「核廃絶と恒久平和を世界に訴える被爆地長崎の市民にとってとりわけ関心の高い重要な問題であり」、「素案作成後、市議会に同案を示し内容を説明するとともに、議会の意見を十分斟酌することを求める」という附帯決議が全会一致で可決されました。


「長崎市国民保護対策本部及び長崎市緊急対処事態対策本部条例」及び「長崎市国民保護協議会条例」に対する附帯決議

 長崎市国民保護対策本部及び長崎市緊急対処事態対策本部条例並びに長崎市国民保護協議会条例に関連して、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づき長崎市国民保護計画の策定を市が企図していることに関し、当該法律における手続きは、市において計画素案を作成後、新たに設置を予定している長崎市国民保護協議会への諮問・答申、並びに、県との協議を通じて成案を得、市議会へはその後報告するというのみにとどまっている。

 しかしながら、当該計画の策定は核廃絶と恒久平和を世界に訴える被爆地長崎の市民にとってとりわけ関心の高い重要な問題であり、市民を代表する市議会がこれに関与し得ず、その議論・意見が同計画の策定過程において反映されるべき機会が何ら得られないことは、市議会として市民の負託に応える職責を果たし得ないことになる。

 よって、かかる不合理を払拭するため、当該法律に基づき市において取り組みが予定されている長崎市国民保護計画の策定過程においては、素案作成後、市議会に同案を示し内容を説明するとともに、議会の意見を十分斟酌することを求めるものである。

長崎市議会


第3号議案

長崎市国民保護対策本部及び長崎市緊急対処事態対策本部条例

(趣旨)
第1条 この条例は、武力攻撃事態等における国民の保護のための
 措置に関する法律(平成16年法律第112号。以下「法」とい
 う。)第31条及び法第183条において準用する法第31条の
 規定に基づき、長崎市国民保護対策本部(以下「国民保護対策本
 部」という。)及び長崎市緊急対処事態対策本部に関し必要な事
 項を定めるものとする。
(組織)
第2条 国民保護対策本部長(以下「本部長」という。)は、国民
 保護対策本部の事務を総理する。
 2 国民保護対策副本部長(以下「副本部長」という。)は、本
  部長を補佐し、本部長に事故があるときは、その職務を代理する。
 3 国民保護対策本部員(以下「本部員」という。)は、本部長
  の命を受け、国民保護対策本部の事務に従事する。
 4  国民保護対策本部に本部長、副本部長及び本部員のほか、必
  要な職員をおくことができる。
 5 前項の職員は。本市の職員のうちから、市長が任命する。
(会議)
第3条 本部長は、国民保護対策本部における情報交換及び連絡調
 整を円滑に行うため、必要に応じ、国民保護対策本部の会議を招
 集する。
 2 本部長は、法第28条第6項の規定に基づき、国の職員その
  他本市の職員以外の者を会議に出席させたときは、当該出席者
  に対し、意見を求めることができる。
(部)
第4条 本部長は、必要があると認めるときは、国民保護対策本部
 に部を置くことができる。
 2 部に属すべき本部員は、本部長が指名する。
 3 部に部長を置き、本部長の指名する本部員がこれに当たる。
 4 部長は、部の事務を掌理する。
(現地対策本部)
第5条 現地対策本部に現地対策本部長、現地対策本部員その他の
 職員を置き、副本部長、本部員その他の職員のうちから本部長が
 指名する者をもって充てる。
 2  現地対策本部長は、現地対策本部の事務を掌理する。
(委任)
第6条 第2条から前条までに定めるもののほか、国民保護対策本
 部に関し必要な事項は、本部長が定める。
(準用)
第7条 第2条から前条までの規定は、長崎市緊急対処事態対策本
 部について準用する。
附則
 この条例は、公布の日から施行する。


第4号議案

長崎市国民保護協議会条例

(趣旨)
第1条 この条例は、武力攻撃事態等における国民の保護のための
 措置に関する法律(平成16年法律第112号)第40条第8項
 の規定に基づき、長崎市国民保護協議会(以下「協議会」という。)
 の組織及び運営に関し、必要な事項を定めるものとする。
(組織)
第2条 協議会は、51人以内で組織する。
 2 専門委員は、当該専門の事項に関する調査が終了したときは、
  解任されるものとする。
(会長の職務代理)
第3条 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が
 その職務を代理する。
(会議)
第4条 協議会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。
 2 協議会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開くこと
  ができない。
 3 協議会の議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否
  同数のときは、議長の決するところによる。
(幹事)
第5条 協議会の所掌事務について委員及び専門委員を補佐するた
 め、協議会に、幹事を置くことができる。
 2 幹事は、50 人以内とし、委員
  の属する機関の職員のうちから市長が任命する。
(部会)
第6条 協議会は、必要があると認めるときは、部会を置くことが
 できる。
 2 部会に属すべき委員及び専門委員は、会長が指名する。
 3 部会に部会長を置き、会長の指名する委員がこれに当たる。
 4 部会長に事故があるときは、部会に属する委員のうちから部
  会長があらかじめ指名する者がその職務を代理する。
(委任)
第7条 前各条に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事
 項は、会長が協議会に諮って定める。
附則
 この条例は、平成18年4月1日から施行する。

長崎市長 伊藤一長