三菱長崎造船所、当面6000人体制維持

 三菱長崎造船所は04年に決定した退職者の増加に伴う「2010年度4000人体制」を見直し、当面は現在の6000人体制を維持する方針を打ち出しました。それはこのままでは「団塊世代」の大量退職で長年培ってきた技能・技術の継承が図れなくなるためで、定年退職者のうちの希望者全員を再雇用するというものです。

 社員は現在6092人で、このうち2300人が今後5年間に定年を迎えるといいます。06年4月から施行される「改正高齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、65歳までの継続雇用制度を09年9月期退職者(約140人)から導入し、このうち7割が再雇用を希望すると見込んでいるといいます。

 一方、会社の経営状況は好転し、04年度から掲げた「長船再建運動」の看板を下ろすと飯島史郎所長は述べています。今年の受注高は4300億円と前年比8%(309億円)増える見通しです。造船部門は利益を考慮した選別受注(11隻)のために1300億円(838億円減少)でしたが、海外向けの大型プラントの受注などで好調の機械部門が3000億円と(1147億円増加)支えた感じです。また造船部門の手持ち工事量は30数隻あり、08年度上期分まで確保しているといいます。

長船人員推移一覧表
全造船三菱重工支部長船分会ニュースから
  管理職・
特別専門職
事務技術職 監督
特技
技能職 監技
合計
実在人員
人員 人員 人員 人員
1970年7月 499 4.6 3,161 28.9 1,395 5,876 66.5 11,400
1975年7月 799 4.9 4,029 25.2 2,199 8,993 69.9 16,441
1980年5月 724 7.1 2,799 27.2 1,806 4,960 65.8 10,536
1985年4月 854 9.7 2,405 27.4 1,649 3,884 62.9 9,028
1990年5月 1,001 13.9 1,995 27.5 1,763 2,493 58.7 7,457
1995年5月 1,160 16.2 1,936 27.1 2,191 1,881 56.8 7,329
2000年5月 1,157 16.9 1,753 25.4 2,503 1,450 57.6 7,024
2005年3月 1,266 21.3 1,270 21.4 2,301 1,097 57.3 6,086

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