対テロ部隊が日米で「離島防衛」訓練

 佐世保の陸自相浦駐屯地に配備されている西部方面普通科連隊(対テロ特殊部隊)が米国及び日本で、「離島防衛」のそれぞれ実動、図上訓練を日米共同で行なうことがわかりました。

 防衛庁及び陸上自衛隊西部方面隊は、敵の離島侵攻に備えた陸上自衛隊と米海兵隊の共同訓練を06年1月9日から27日まで米国本土で行なうことを明らかにしました。
 昨年12月に閣議決定した新防衛大綱は、「島嶼部に対する侵略に対しては、部隊を機動的に輸送・展開し、迅速に対応するものとし、実効的な対処能力を備えた体制を保持する」としており、この大綱を受けた訓練といえます。「離島有事」での日米訓練は初めてのことです。

 参加するのは九州・沖縄を防衛区域とする西部方面普通科連隊の一個普通科中隊の125人。場所は米海兵隊が駐留する米カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトン基地など。実際にボートなどを使った上陸訓練などを予定しています。陸自は「通常の合同訓練のように双方が訓練する形ではなく、島しょ上陸作戦の経験が豊富な米海兵隊から教えてもらう形だ。離島への進出要領を段階的に錬成したい」と話しているといいます(琉球新報)。

 一方、陸上自衛隊と米陸軍による「日米共同方面隊指揮所演習」(ヤマサクラ)も、1月23日から2月4日まで、陸自健軍駐屯地(熊本市)で、計約5700人が参加して行われます。
 「ヤマサクラ」は陸上自衛隊と米陸軍・海兵隊とが1982年から年2回、日本と米国で交互で実施しているもので、西部方面隊で行うのは3回目。コンピューターや地図を使って弾道ミサイル攻撃など日本の有事や周辺事態を想定し、日米が共同して対処するシミュレーションを行います。指揮官や幕僚にとってみれば実際の作戦指揮と同じものといえます。

 西部方面総監部によると、実施部隊は、西部方面普通科連隊を含む陸自西部方面隊をはじめ、海自、空自などの指揮官や幹部ら計約4400人。米軍側は第一軍団や在日米陸軍司令部、沖縄に駐留する海兵隊第三師団などの幹部ら計約1300人の参加が予定されているといいます。
 今回の演習では初めて「離島防衛」が扱われ、日本の島しょ部が武力侵攻を受けたとの想定で、自衛隊と米軍で島の奪回作戦を行なうというもの。指揮系統の確認や情報収集、情報伝達で日米の調整能力を向上させるのが狙いといいます。
 しかも今回の「ヤマサクラ」には、九州・沖縄の8県の危機管理担当官らを参加させるといわれています。離島から住民を避難させたり、市街地で住民の移動を制限するような場面を設定し、事実上米軍が自治体を指揮する訓練ともいえるでしょう。