憲法という宝を守りぬき
戦争国家への道をくいとめよう
ながさき平和委員会が定期総会ひらく

 6月16日、ながさき平和委員会の定期総会が開かれ、千坂純さん(日本平和委員会事務局長)が「戦争国家の曲がり角−−いま平和運動に問われているもの」というテーマで記念講演を行いました。(下記に講演要旨)

 議事では、イラクへの自衛隊派兵反対・有事法案阻止のたたかいで、会員がそれぞれの所属する団体・地域で奮闘したこと、共同行動が昨年以上に前進したことが強調されました。平和委員会が独自に行なっている「長崎港ウォッチング」の活動で長崎港が海自佐世保基地を補完する役割がいっそう明確になってきていること、学習活動では「基地パンフを読む会」「地位協定学習会」「例会」が密度濃く行われているが参加する会員が少なく、会員一人ひとりの結びつきを深める努力が求められていることが指摘されました。

 会場からは、ウォッチングなど地道な活動はマスコミからも評価されている。学習と同時に、集会準備などにもっと楽しく参加できるような平和委員会であってほしい。気軽な気持ちで参加して元気になるような平和委員会にしたい。もっと横のつながりをつくって団体内やサークル内での(班)活動などを追及したい、といった意見が出されました。


(記念講演要旨)

 今回の有事関連法制は、アメリカの先制攻撃によって引き起こされる「周辺事態」を「武力攻撃予測事態」ととらえ、日本に対する武力攻撃が発生していない段階から、自衛隊を戦闘地域にまで出動させて、弾薬の輸送・補給を含む、あらゆる米軍支援を行なえる仕組みをつくるもの。その際、自衛隊は武器の使用が可能になり、武力行使に踏み込む道がつくられた。またまたACSA(日米物品役務相互提供協定)の「改正」で、米軍と自衛隊が有事だけでなく、海外でのあらゆる事態に共同対処する仕組みもつくられた。
 自治体、民間企業にも米軍支援の「責務」を負わせ、その支援の範囲や対象も「制限なし」。これから国民動員の体制づくりが始められる。

 しかし、有事法制の具体化・発動を許さない力はある。憲法のハードルは極めて高い。「予測事態」は勝手に決めることができない。イラクの事態さえ「周辺事態」と認定できずに新法を必要とした。北朝鮮をめぐっては6者協議など話し合い解決をめざす流れが強まっている。他のASEAN諸国でも友好条約の流れがある。この流れを強めることで戦争への道を食い止めることができる。
 有事法制下でさえ、罰則は限定的だ。国民の協力も義務ではない。憲法という武器の中で、有事法制の危険性を自由に告発できる。

 いま在日米軍基地強化と自衛隊のイラク派兵は国民の願いとの隔たりが大きくなっている。沖縄の辺野古のたたかいの中で新基地容認は47%から7%に激減した。原子力空母配備計画に対して厚木市長や横須賀市議会が反対の声を上げている。「日本世論調査会」の調査で、自衛隊に今後期待する役割として「多国籍軍への参加」をあげたのはわずか1%だった。専守防衛のはずの自衛隊の方針が「不明確になったように思う」が75%、「自衛隊が米軍の戦略に組み込まれていると思う」が84%となっている。

 たたかって問題点を浮かび上がらせば世論を変えうる可能性があることを示している。秋の平和大会を、戦争国家づくりを阻止して憲法9条を守る、アメリカの戦争の拠点となっている米軍基地の撤去、無法なアメリカの戦略に反対して国連憲章を守る国際連帯を広げる、日米軍事同盟に反対する世論を広げる−−などの運動を発展させて成功させよう!